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遺品整理の注意点:後悔せずトラブルを避けるための依頼方法

遺品整理や生前整理などお片付けにまつわる情報に溢れる現在、色々考えることに疲れてしまった方も多いのではないでしょうか。今回はカンタンに役立つ遺品整理の注意点として厳選したポイントをお伝えします。
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遺品整理や生前整理といったお片づけでは、考えなくてはいけないことがたくさんあります。

インターネット上にある情報は確かに役立つものの、玉石混交でいたずらに不安を煽って不動産売却や遺品整理を業者に依頼させようと躍起になっている記事も残念ながら存在しますし、何よりあなたご自身の状況とまったく同じケースはありません。

しかしながら、少しでも後悔しないためにどのような場合にも共通してチェックしておきたいポイントも少なからず存在します。

そこで今回は、これから遺品整理をお考えの方にも、すでに業者に依頼し遺品整理の日取りが決まっている方にも役立つ10のポイントを厳選して列挙します。

以下のリストは過去20年間、毎年200件以上のお片付けを行ってきた私たち横浜ベスト遺品整理社の経験に基づくものです。

そのため、他の業者様と違った意見をお伝えしていることがあるかもしれません。ご了承ください。

以下のチェックポイントで、がっかりしない遺品整理を実現するための一助となれば幸いです。

遺品整理の10の注意点

遺品整理の注意点は、以下の項目です。

まず何よりも重要なのはお片付けの全体の流れを把握し、理解することです。

後悔せずトラブルを避けるためには、あなたが遺品整理を行う場合の目的をはっきりとさせ、全体の流れを把握しておくことが何よりも大切です。業者を探す前にしっかりと全体像を把握しておきましょう。

全体像を把握して理解するためには、何度でも業者や関係者に質問するなどして、不安なことは先に解決しておきましょう。

  • 遺品整理の業者を選ぶときはよく調べ、慎重に進めよう
  • 思考停止で業者に丸投げしない
  • 買取を丸投げするのではなく「正しい価値」を知った上で判断しよう
  • 相続人と事前によく話し合い、トラブルを避けよう
  • 死後事務の手続きの期日を把握しよう
  • 情報を見逃さないようにしよう(デジタル遺品や年賀状などの重要な情報)
  • 大切なモノを捨てられないためのリストを作成しよう
  • 勝手に撤去してはいけないものがたくさんあることに注意しよう
  • 必要な原状回復作業やリフォームについての意見に注意しよう
  • 無理に捨てない仕分けをしよう

以下、ひとつずつ内容を見ていきます。

遺品整理の業者を選ぶときはよく調べ、慎重に進めよう

遺品整理に限らず、空き家の整理や実家の整理などのお片付け作業はとても大変です。

相続人や関係者のみで行うには時間と労力がかかりすぎてしまうため、業者に依頼するのも選択肢のひとつです。

しかしながら、業者の選び方はよく調査し、慎重に見極めた上で相見積もりなどを経て決定されるべきでしょう。

悪徳業者とひとくくりにして色々な問題を指摘する向きがありますが、依頼する側にも「選んだ責任」は存在すると考え、よく調査して依頼するようにしましょう。

以下のようなポイントはチェックしておくと良いでしょう。

  • 見積もりと請求金額が違う(追加料金の発生)ことがあるのかを事前に聞いておく
  • 見積もりの内容説明は、可能な限り対面で、家族の誰かと一緒に複数人で受ける
  • 相見積もりは必須と考えて、3社程度を比較する
  • 可能な限り作業に立ち会えるように作業日の調整を行う
  • 色々と質問をしても嫌がらずに答えてくれるかどうかチェックする

遺品整理業者の賢い選び方:見極め方と上手なクチコミ利用法

これまでに経験豊富な業者は、過去の経験から多くの知識を提供してくれるはずです。

また、地域ならではの慣習や傾向などについてのレクチャーを受けることができるかもしれません。

ひとつの指標として、見積もり担当者の知識が豊富かどうか、色々と質問してみるのが良いかもしれません。

また「遺品整理業者に遺品整理のことを聞いている」時点で、業者寄りの偏った意見になってしまう恐れがあることも忘れてはいけません。(当記事は、なるべくポジショントークとならないように努めています)

思考停止で業者に丸投げしない

日本が少子化と超高齢社会の時代となったことで、遺品整理士が民間資格ということもあって参入が容易な遺品整理の業界では、毎月のように新たなサービスを展開する業者が出てきています。

こうした中、業者へ任せっきりにしてしまったために、想定外の料金や法外な追加料金の請求されるようなトラブルとなってしまうケースもあるようです。

悪質な業者による多くのトラブルを見聞きするようになってきました。

大切な通帳を捨てられるなどの手抜きと呼ぶのにも相応しくない雑であったり、経験不足からくるトラブルや、貴重品を懐に入れてしまったり、作業後に法外な金額を要求するようなトラブルです。

経験の浅い業者にとって、一軒家の物品を時間内に仕分け、搬出するのは非常に困難な作業だからです。

遺品整理業者の見積もり:見積書の見方を知ってトラブルを未然に防ぐ

法外な料金や不当な請求を回避するには、見積もり時に、作業後の価格に大きな変更が生まれないことをよく確認しておくのが肝要です。

私たちの場合、見積もり時と請求時の料金が異なるのは、見積もり時に発見することのできなかった物品が大量に見つかってしまったり(絨毯の下や、床下に家族も知らない大きな収納が存在したなど)その反対に買取やリサイクルの対象となったものが多数見つかり、値引きできるようなケースです。(値引きについて具体的には参考事例をご覧ください)

しかしながら、見積もり時と請求時に料金が変わることは極めて稀です。

業者を利用することで、効率的なお片づけを行うことができるようにはなるものの、思考停止で業者に丸投げすると、あらぬトラブルを招いてしまうリスクがあることに注意しましょう。

もう迷わない。遺品整理の相場と費用の目安を間取り別で知る。

買取を丸投げするのではなく「正しい価値」を知った上で判断しよう

遺品整理では、買取査定がサービスに含まれるケースが一般的になってきています。

あなたやご家族が不要と判断されたものを買取やリサイクルして、遺品整理の費用と相殺したり、還元するサービスを提供している遺品整理業者が増えています。

しかし、あなたがお片付けをお考えの家に骨董品や美術品が存在する場合には、遺品整理業者へ依頼する前に正しく価値を鑑定できる査定員に依頼することをオススメします。

もちろん、高額な買取査定金額とならない場合もありますが、一生に一度の大切なお片付けである遺品整理では、正しい価値を知った上で要不要の判断をすべきです。

私たちも、提携している鑑定士とともに現場に入り、さまざまな物品を査定する中でびっくりするような貴重な品物が発見されるということも珍しいことではありません。

正しい目利きができる業者は多くありませんので、信頼できる業者に依頼し、正しい価値を知った上で依頼を行うようにしましょう。

買取を専門としている遺品整理業者の中にも、得意としていない物品には査定がつかない場合もあるようです。買取価格が実は相場よりも低価格となってしまうケースもあると聞きますので、注意が必要です。

ご遺品の買取やリサイクルで遺品整理の費用を抑える方法

相続人と事前によく話し合い、トラブルを避けよう

もっとも避けるべきなのが業者とのトラブルよりもご家族や親戚とのトラブルでしょう。

手遅れとなる前に、財産分与や生前整理などを考えておかれるのが重要ですが、なかなかそうもいかないケースもあることでしょう。

賃貸物件での孤独死など特殊なケースを除いては、相続手続き(遺産分割協議など)の後の遺品整理が必要になります。(特殊なケースについてくわしくは「相続前の遺品整理:遺品整理をしても相続したことにはならない。」をご覧ください)

現金以外の物品は、平等に分割することが困難なため、協議が重要となります。

相続人や財産の調査については弁護士さんや司法書士さんの協力のもとで行います。

私たちもお片付けのご依頼前に、提携する弁護士さんや司法書士さんをご紹介し、相続手続きからご案内することもしばしばございます。

相続人とのトラブルを避けるために重要なのは、よく話し合い、結論を共有することです。

相続人が複数人となると、遺産分割の配分や遺言の有無でトラブルになりかねません。

ときには、親族の中でも特定の人しか知らない遺言が書かれていたというケースもあるようです。

とりわけ、家を片付け、物品を仕分けて処分したりする遺品整理などのお片付け作業は、誰か一人の判断ではなく、相続人全員で結論を共有した上で、作業を進めましょう。

結論を共有する際には、口約束ではなく書面で残し、可能であれば司法書士さんや行政書士さんの力を借りましょう。

なぜなら、驚くことにいざお片付けとなったら「早い者勝ち」とか「これはいただけると生前約束している」と会ったこともない親族が形見分けを申し出るという例もあるからです。

相続人とのトラブルが予見される場合には、業者や相続の専門家に仲裁役を依頼するのも選択肢のひとつとして有効です。

相続での争いを避ける:親子の認識の違いと生前贈与の注意点

死後事務の手続きの期日を把握しよう

遺品整理の場合、相続人の項でもお話しいたしましたが、煩雑な事務手続きが多数迫ってきます。

手続きの中には、相続放棄の申し立て(3か月以内)や相続税の申告(10か月以内)など期日が設けられているものも多く、該当する場合には、早めに準備しておきたいところです。

また、賃貸物件の場合には家賃などが継続して発生しているケースもあるため、管理会社等への確認が必要となります。

遺品整理とは直接関係ないようにも思われますが、相続に関連すること以外にも必要な内容は多く、たとえば以下のような手続きも必要な場合があるのです。

  • 賃貸住宅の名義変更や解約
  • 固定資産税・住民税などの支払い・請求先を変更
  • 携帯電話などの名義変更・解約
  • 運転免許証の返却
  • マイナンバーカードの返却
  • パスポートの返却
  • 敬老パス(敬老特別乗車証)の返還
  • 自動車運転免許証の返納
  • 市税に未納がある場合には、市県民税・固定資産税の納付
  • 飼い犬の登録事項変更届など

以上の内容を確認するためには、運転免許証や納付書など自宅に保管されている書類に手掛かりとなります。

そこで、遺品整理の前に手続きの期日を把握し、作業当日に探しておきたい書類をより明確にできます。

葬儀後のやることリスト:死亡届提出後に必要な手続き一覧

情報を見逃さないようにしよう(デジタル遺品や年賀状などの重要な情報)

遺品整理などのお片付けでは、情報を見逃さずにフォローするのも重要です。

たとえば、スマートフォンやパソコンなどの中には、大切な個人情報やクレジットカード情報が含まれているケースがあります。処分を行う場合にはあらかじめデータを削除しておくなど、対策が必要です。(参考:壊れていて電源が入らないパソコンやスマホの処分方法

私たちのお片付けの現場でも、パソコンだけではなく、携帯電話やスマートフォンなどの端末が残されていることが多くなってきました。

パスワードやPINコードなどの認証が存在して簡単にはロックを解除できないデジタル遺品には、サブスクリプションの契約情報や、メールのやり取りなど、想像以上に多くの貴重なデータが保存されています。

こうしたデジタル遺品の取り扱いにも、遺品整理業者では対応可能なところが増えていますので、積極的に質問するなどして、何か手立てがないかどうかを確認しておきましょう。

さらに、死後事務の手続きの箇所でもお伝えしましたが、お片付けの場面では残しておいた方が良い書類やモノが実は非常に多く存在しています。

たとえば、年賀状は亡くなられた方の関係性を把握するのに非常に有効な情報ですし、年金手帳や保険証券は、請求に必要となるかもしれません。直筆の手紙や家族の写っている写真は大切な思い出としてとても重要です。

こうした後々必要となるかもしれないけれど、遺品整理作業に取り掛かる前には気づけない大切なものは、リストを作成しておくことが重要です。

大切なモノを捨てられないためのリストを作成しよう

遺品整理の業者は相応の知見を持って遺品整理作業にあたっていますが、経験の浅い一部の業者による作業では「古い銀行通帳を捨てられてしまった」とか「残しておいてほしかった請求書などを捨てられた」といったケースがSNSやネット掲示板などで見られます。

どのような業者でも短時間にすべての遺品を確認することが難しい遺品整理の現場では、依頼する側がリストを作って、大切なものを捨てられ内容に回避するための方法があります。

私たちもご依頼いただく現場によっては、事前にご依頼いただく方へ残しておいてほしいもののリストをご作成いただくようにお願いすることもあります。

実はこんなに。遺品整理で残しておくものリスト一覧(保存版)

勝手に撤去してはいけないものがたくさんあることに注意しよう

大切なモノを捨てられるというトラブル以外にも、勝手に撤去してはいけないものを撤去して処分してしまったというケースもあるようです。

たとえば、賃貸物件で退去の清掃はどの範囲でどの程度が必要なのか、公団・市営住宅で備え付けの備品はどれなのか、を判断するのは難しい場合もあることでしょう。

よくあるのが賃貸物件に入居時から設置されていた照明器具やエアコンの処置についてです。

適切な情報共有や打ち合わせがなかった場合、住んでいた方が設置されたものと安易な決め付けや思い込みで取り外してしまい、後々大ごとになってしまうということもあり得ます。

さらに、介護ベッドなどのリース品だった場合は、リース品の返却を行う必要があります。

賃貸の場合には、管理会社さんやオーナーさんに確認の上、どのような物品が備品だったのかの確認などを行う必要がありますし、リース品などは返却方法の確認が必要です。

経験豊富な遺品整理業者は、これらの撤去してはいけないモノをこれまでの経験や、地域性(市営住宅の遺品整理の経験など)から把握している場合が多いかと思います。

しかしながら、念の為共有することは、依頼するあなただけではなく、業者にとっても安心です。

事前に撤去してはいけないものがあることを把握して、それを事前に遺品整理業者や不動産管理会社などの関係者と共有しておくことで、トラブルを回避できるのです。

喧嘩なく円満な実家の片付けを実現するために必要な3つの考え方

必要な原状回復作業やリフォームについての意見に注意しよう

賃貸物件でのお片付けの場合には、必要な原状回復作業とそうでない場合があります。

オーナーさんの意向で、退去後にリフォームを兼ねて原状回復を行なったりするケースもあることでしょう。

遺品整理業者によっては本業がリフォームや解体などで、強く退去後のクリーニングやリフォームを案内されるようなケースもあるかもしれません。

やっておいた方が良い推奨の作業と、やらなければいけない義務の作業とでは重みが違いますし、また、必要な料金も変わってくるはずです。

壁紙や畳、あるいは退去の清掃についても、どの程度が必要なのかについて管理会社さんやオーナーさんに確認しましょう。

賃貸ではない場合、遺品整理などのお片付けの後には賃貸利用やご家族が住むなどの目的があることでしょう。

遺品整理後の新生活を始めるにあたって必要な作業は、あなたやご家族の目的によって大きく異なります。

業者の言いなりにならず、まずはご自身が明確な目的を描けるまではお片づけのみを業者に依頼し、その後ゆっくり考えることをオススメします。

遺品整理とリフォームを業者へ依頼することで期待した結果を得るために

無理に捨てない仕分けをしよう

最後に、もっとも後悔したと感じる方が多い処分するものについてです。

遺品整理を立ち会いで行なっている際に「これはどうしますか」と聞かれたり、保管しておくかどうか迷ったりするものがあるかもしれません。

物を捨てる基準を3つに変えると整理はとても簡単になる。」でもご紹介しましたが、無理に要・不要で判断せず、いったん保留にして保管しておかれることを強くオススメします。

とくに賃貸での遺品整理の場合、退去日が迫っているなど切迫した状況や、悲しさなど精神面で平時と異なった状況で、煩雑な作業に忙殺されて日常よりも多くの判断を繰り返しています。

いつもと違う状況では判断力がとても鈍ります。

あとで後悔することを避けるためにも、少しでも迷うものがある場合には保管するようにしましょう。

避けるべきなのは「焦って判断すること」です。

時間や作業に追われて焦って結論を出してしまうと後悔します。とりあえず捨てずに保管しておかれることをオススメします。

いったん保管できるいっぱいの量まで保留したものを持ち帰り、ゆっくりと吟味できることを忘れないでください。

まとめ

今回は、後悔を防ぐためにどのような場合にでも有効だと思われる遺品整理の注意点についてまとめました。

共通するのは、業者任せにせず、あなたやご家族と一緒に判断することです。

全体像を把握し、業者と目的を共有する打ち合わせや電話を先延ばしにしてはいけません。

信頼できる業者と遺品整理作業を進めることで、後悔のない納得した遺品整理を実現することができるはずです。

これからお片付けを控えた方も、今後お片付けをお考えの方も、今回ご紹介した10つの注意点にご留意いただければと思います。

最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。

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