お片付け業者に依頼しようと検討中の方にとって、費用と業者の選び方が主な課題となるはずです。
今回は、遺品整理業者の選び方についてまとめました。
結論:遺品整理の業者を見極めるポイント
まず、最初に結論として、どのようなポイントで見分けるべきなのかをご紹介します。
ポイントだけを押さえて全体をざっと把握されたい方は「あなたに合った遺品整理業社を選ぶためのポイント」をご覧ください。
- 訪問するお客様のことを考えたホームページやチラシ・資料になっているかどうか
- ホームページ等で過不足なく情報が掲載されているか
- 代表の顔写真が掲載されていたり、担当スタッフがきちんと顔写真で確認できるか
- 所在地が明確に記されているかどうか
- 最低金額(3万円〜)だけではなく上限金額や、オプションの目安金額が正しく掲載されているか
- 見積書の内容が明確になっていて、当日の予算変動がないことなどについての説明があること
- 概算見積もりだけではなく、正確な見積もりを出してくれるかどうか
- 見積書に「遺品整理作業一式」などというような表記ではなく、細かく丁寧に書かれていること
- 料金が一般の方にもわかりやすく書かれていること
- 追加費用がかかるかどうかについて、業者側から事前に説明があること
- 契約書や作業完了書の有無など、書面でのやり取りが可能かどうか
- 電話・メールの対応
- 見積もりスタッフの対応(何度同じことを聞いても親切に答えてくれる・難しい言葉を使わない)
- 制服をきちんと着用しているか。またユニフォームが存在するか。
昨今はインターネット上で情報を検索してから、業者を見分ける場合も多いのではないでしょうか。
以上の項目を基準として、業者に現地調査・見積もりを依頼することで、自分に合った業者を見極めるられるはずです。
遺品整理業者が❝自分の家族のため❞に依頼したくなる業者とは?
本当に良いサービスを提供している従業員であれば、自分の勤める企業のサービスを利用しているのは当然です。
たとえば、自分の作るラーメンは口にしたくないと考えている店長のラーメン屋で、あなたは食事したくないはず。
以下、遺品整理を営む私たちが「自分の家族のために依頼したくなる業者」という視点で、業者の見極め方とクチコミの利用法をご紹介します。
遺品整理業者を選ぶ経験が初めてだからこそ注意したいポイント。
遺品整理をご依頼いただくほとんどの方が、遺品整理を業者に対して「仕事」として依頼し、また業者に依頼する前に「サービス」として比較するということが人生で初めての経験になるのではないでしょうか。
遺品整理を行う上での大前提として、ご依頼主である、あなたの疑問や質問に対して、理解できるまで、納得できるまで丁寧に答えてくれる業者を選ぶことが最も重要なポイントとなることでしょう。
私たち横浜ベスト遺品整理社には、ご依頼いただく前の段階から、作業後のアフターケアについても様々なお問い合わせをいただいております。
こうしたお客様から寄せられるポイントから当社のブログ記事にて、失敗して後悔することのないように、あなたに最も適した遺品整理業者をご自身の力で簡単に見つけ出すポイントをご紹介しています。
「業者選びが上手い人」がみている意外な基準とポイント
業者選びに長けた方は「料金表」の捉え方がちがいます。料金表を参考にされていない方がとても多い印象なのです。
確かに、料金表が参考にならないことは私たちも自認しております。
実はホームページなどでよく紹介されているような「料金表」の値段で作業が行われることの方が稀だったりします。
なぜなら、お客様のご状況は千差万別であり、一概に金額を決めることはとても難しいからです(予算の決まり方は後述します)
もちろん値段がすべてではなく、あなたの意思を作業に反映させる考えを持っている業者に依頼すべきですが、業法などもなく「定価」が存在しないからこそ、悪徳業者が後を絶たない理由のひとつとなっています。
予算の範囲内で費用対効果が高い整理を行うためには、料金表は目安でしかなく、実はまったく参考にならないケースもあります。
「ワンルーム3万円」はただの目安でしかない。
料金表は、遺品整理や生前整理、空き家整理などといったように「一般化」されたサービスを、ご自身の状況に照らし合わせて見通しを立てるための参考でしかありません。すなわち「目安価格」なのです。
事実、インターネット検索で見つかる業者のウェブサイトなどには価格や、平均価格の一覧が存在する場合も多いかと思います。
しかしながら、この価格は最低価格を基準に表記されていることが多いはずです。
たとえば、ワンルームの整理作業で30,000円〜と表記されていたとしましょう。
もちろん30,000円で作業が可能な場合もありますが、これら費用は、あくまでも目安であり、通常は上記でご紹介した物量や人件費、搬出経路などによって30,000円を大幅に超える金額となる場合も少なくありません。
基本料金などを「目安」として表示していることが、費用をよりわかりづらくしてしまっているポイントだとも言えるでしょう。
実家や自宅の整理に必要な費用は、どのようにして決まるのか。
では、遺品整理などの料金はどのように決まるのでしょうか。
以前、遺品整理の料金の仕組みでもご紹介しましたが、お片づけの費用の内訳は主に以下のポイントで決まります。
- 残されているモノの量(物量)
間取りだけではなく、同じ間取りの部屋であっても生活スタイルによって持ち物の量が変わってくる点にも注意が必要です。 - 作業にあたるスタッフの数(人件費)
時間内に作業を完了させるために、必要な人員は業者によって考え方が異なります。金額差のつくポイントの1つでもあるのです。 - 搬出経路の距離や資材の用意などの必要性(搬出・養生)
市営団地などでエレベーターがなく、階段での搬出だったり、トラックまでの搬出距離が長いといった距離の問題や、物件を保護するために資材が必要なケースでは別途請求するという業者もあるようです。 - 基本料金以外に必要となる作業(オプション作業費用)
業者が整理の際に必要と判断する場合に、消臭作業やご遺品の配送など別途料金が必要なケースもあります。私たちの場合、見積もり時点で判断し、お伝えしています。
以上を総合的に判断することで、費用が決まっていきます。
以前は、見積もり時と請求時で明らかに料金が異なるという悪徳業者についての情報が目立っていました。最近は少なくなっているようですが、私たちから見れば、見積もり時とご請求時の料金が高くなるケースは、100件に1件もないと言えます。
見積もり時に適切な料金判断が可能な業者かどうかも、ポイントのひとつと言えるでしょう。
インターネット上で提供されている遺品整理一括見積もりをご利用になる場合にも、必ず複数の業者による相見積もりなどをされることをオススメしています。
良い遺品整理業者を選ぶために、相見積もりを利用して、比較検討を行う。
昨今では、遺品整理においても、引越しと同じように一括見積もりサービスの利用で、遺品整理サービスを比較検討できるサービスが増加しています。
最近は随分と少なくなりましたが、やはり不動産管理会社や、葬儀・病院関係の担当者から「私たちの指定業者をご紹介いたします」というような勧めを受け、半ば思考停止状態で言われるがままに遺品整理作業を代行する業者を決めてしまうということもあるようです。
確かに、信頼できる不動産管理会社や葬儀業者の担当者が紹介していただけるのですから、安心できる側面はあります。
しかしながら、あなたの部屋を片付けるのは、信頼できる担当者その人ではないケースが大半なのではないでしょうか。
別の業者が作業を担当する以上は、あなた自身の目で、信頼できる業者かどうかを吟味する必要があります。
ポイントは、相見積もりを行うことです。
また、見積書には業者独特の単位などが記載されていることも多く、正しく読み解けない場合があるかもしれません。
事前に業者に質問するなどして、状況をしっかり把握しておくと良いでしょう。
しかしながら、まだ依頼するのかどうかもわからない状況で、現地に出向いて業者を待ったり、相談する手間を省きたいとお考えの方もいらっしゃるかと思います。
すべてをインターネット上の情報だけで完結させることは難しい場合が多いのですが、こうした悩みを解決する方法として、現実的なのが「実例を探す」ことだったりします。
自分が依頼しようとしている部屋を参考事例で比較する
ここまで、インターネット上で見つかる情報としての「費用」や「費用の目安」は、参考程度にとどめるべきだということをお伝えしました。
結局、料金や実態を把握するには「実例」を調べる方が良いと言えるでしょう。
その理由は、費用や目安よりも、ご自身の状況と照らし合わせて検討できるのが「実例」だからです。
業者などのウェブサイトには、多くの実例が掲載されています。
これらの実例の中から、ご自身の状況にもっとも近いものと照らし合わせることによって、目安の料金を参考にするよりも、現実に近い価格の見通しを立てることができるでしょう。
また、クチコミなども一定程度の参考にはなります。
しかし、残念なことに一部のクチコミやランキングといった趣旨の情報にも注意が必要です。
とくに、しっかりとした管理・運営会社が明記されていないランキングサイトやクチコミや、匿名での投稿は捏造が容易にできてしまうという問題点があることを忘れてはいけません。
近年では大手インターネット通販サイトでさえ、レビューが捏造されて問題になっているケースが話題になりました。
クチコミやランキングは、主観的であり、必ずしも、あなたご自身の場合に当てはまるとは限りません。
やはり、実際の実例に照らしながら、業者を選ぶ際のひとつの基準とするのが良いでしょう。
当社ではより詳細な実例をご紹介しています。
実例を参考にするときの見極めポイント
最後に、実際に実例を見るときのポイントについてご紹介します。
以下のようなポイントが参考になるでしょう。
- 写真
- 間取り
- 作業時間
- 作業人数
- 価格(内訳がしっかりと書かれているとより参考になるでしょう)
間取りと写真
床面積にもよりますが、間取りは参考になるポイントのひとつです。
同じ2LDKのお部屋のお片づけの場合に、費用に大きな開きがあります。
実際に写真が掲載されている場合には、写真に写る物量が価格にどのように反映されているかなどを見てみると良いでしょう。
作業時間と作業人数
作業時間や作業人数も、費用に影響する部分です。
写真や間取りなどの情報と照らし合わせて、どのような人員でどのような価格となっているのか、検討している業者の相場を把握する上で役立ちます。
また、作業に必要となった時間がどの程度だったかによって、あなたご自身のケースに必要な時間にも大まかな検討ができるのではないでしょうか。
価格
最後に価格です。
間取りや作業時間、スタッフの人数から実際の料金を見てみましょう。
このとき、作業オプションが必要なケースだったのか、リサイクルや買取での値引きができたのかといった点での言及があるとより参考になるでしょう。
たとえば、紙などもリサイクルの対象として割引できることもあるからです。
たくさんある業者からどこに依頼すべきか迷っているあなたにこそオススメしたいクチコミの真価
この記事をお読みの方は、比較サイトやクチコミなどの情報をよく探されていると思います。
見積もりを取る前に業者を選ぼうと思っても他にたくさんの業者が存在するため、決め手となるものが価格やスタッフの対応といった表面的なものになってしまって不安という方も少なくないでしょう。
こうした不安を払拭し、後悔のない遺品整理作業を実現させるためには、選ぶ基準となった決め手です。
「値段が安かった」「対応が良かった」など決め手をしっかりとご自身で把握することは、家族に決めた根拠をしっかりと説明できますし、作業前、作業後の安心感に繋がります。
もちろん、はっきりとした決め手を無理矢理作る必要はありませんが、決め手をしっかりと意識づけておくことは、「しっかりしている業者さんかな?」と見極める際にも気づきを得られるきっかけとなることでしょう。
見極める際に、クチコミは重要な指標の一つとなります。
とくに普段からお付き合いのある友人や知人、兄弟姉妹といった自分に近い信頼できる人のクチコミは信用しても良いでしょう。
あなたが信頼できる人に「しっかりと片付け作業をしてくれたし、探しておいて欲しいものもすべて見つかった」という感想や「誠意を持って非常に一生懸命やってくださいました」と聞かされたら、とても安心でき、その業者に依頼したくなるはずです。
クチコミの注意点
しかしながら、本当に正確なクチコミが投稿されているのかどうかを私たちが確認する術は意外と少ないものです。
そこで、クチコミの情報源は、次の2つのポイントを重視すると良いでしょう。
- 1つのサービスのクチコミだけではなく、様々なサービスのクチコミを参考にする
検索結果+一括見積もりサイトやソーシャルメディアなどのように2〜3種類の情報源を見る - 良いクチコミや悪いクチコミを総合的に判断する
返信文が投稿されている場合には、その対応をよく確認する
投稿時期だけではなく、自分と近しい価値基準の方の投稿があるとベストです。
ランキング形式で紹介されているとあたかもそれらの内容がスクリーニングされ、選別されていることを期待してしまいますが、必ずしも選別されていない場合もあります。
業者への評価は依頼主への対応やご近所への配慮、身だしなみや言葉遣いなどマナーに関すること、作業の丁寧さ、気づきにくいことへのアドバイスなど多岐にわたり、クチコミごとに大きな違いがあるのではないでしょうか。
インターネットのクチコミは経験した人それぞれの感覚や基準を元に書かれているものです。
人それぞれ大切にするものの基準が異なりますから、同じ作業内容でも評価が大きく分かれるのは当たり前のことなのです。
そのため、親族や知人などあなたに近しい方以外のクチコミにはある程度バイアスがかかっていたり、自作自演も盛り込まれているかもしれない、といった姿勢でクチコミを鵜呑みにしないことが重要です。
クチコミには、いいことを伝える方が自分も気持ちがいい、という心理からか「いいこと」が書かれることも多いようです。
悪いことを伝えると、書き込みを行った自分も悪く思われてしまうかも、という心配もあり、控えめな表現となってしまうのはよく理解できます。
良いクチコミが多いのはこうした心理的なものだけではなく、クチコミの中には明らかに根拠のない自作自演の書き込みが存在することもあるので注意が必要です。
たとえば、広告へのクリックで報酬が発生する仕組みである「アフィリエイト」などを利用しているサイトでは、1クリックあたりの報酬が高い業者をランキング形式で紹介しているというような悪質なものも見られます。意図的に読者の注目を集めるために作られているものである可能性もあることから注意が必要です。
悪いクチコミの見方
悪いクチコミも内容によって信憑性が変わります。
たとえばクチコミに「ホームページに書かれている料金の2倍以上になった」と書かれていて「それは許せない」と鵜呑みにしてしまうのは少々危険かもしれません。
なぜ「2倍の以上の料金となったのか」という状況が分からないからです。同じ部屋の広さでも物量が2倍以上あれば、料金が上がることも十分あり得ることなのです。
しかしながら、業者に対しての率直な書き込みによって悪質な業者が淘汰されるのであれば、とても喜ばしいことでしょう。
以下のようなクチコミは参考になることが多いかもしれません。
- 処分する食器を作業員が箱詰めしているとき、うっかり割ってしまい、「作業中にお皿を1枚割られてしまった」というクチコミ。
- 長期間手付かずで、少し汚れた部屋に上がるとき「断りもなく土足で上がり込んできた」というクチコミ。
消極的な内容のクチコミは根拠と返信があるかを見よう
お皿を割るという失敗はいいこととは言えませんが、不可抗力の事故だったということもあります。うっかりした事故は、起こした本人も自覚しているはずで、大いに改善できます。
次に断りもなく土足で上がり込んできた」というクチコミは、プロとしての自覚の欠如を的確に指摘したクチコミです。遺品整理の専門業者を名乗っていても、マナー意識が低すぎると言わざるを得ません。
経験を積んでいるにもかかわらず、こうした行動を何度も繰り返していると推察できてしまい、つまり自覚がなく一夜にして改善もないと考えられます。
消極的なクチコミには「改善可能な内容」と「改善が期待出来ない内容」あります。
こうした悪いクチコミを目にしたときには、内容を想像してみてください。
そして、きちんとお詫びや返信が書かれているかどうかも見てみてください。
悪いクチコミに対して、原因と改善策が適切に示されていれば、むしろ信頼できる業者として安心して依頼できるかもしれません。
重要なのは、さまざま情報源から色々な角度で比べてみることです。
少し手間もかかりますが、角度を変えて遺品整理業者を比べてみれば、あなたの期待に応えてくれる業者も、きっと見つかるはずです。
色々な情報に触れながら、妥協なく信頼できる業者を探してみてください。そして、実際に見積もりを依頼するなどして、最終的には根拠のない「直感」を信じるのも重要なことです。
なお、私たち横浜ベスト遺品整理社のクチコミは以下からご確認いただけます。
私たちのクチコミ投稿は100%お客様のご判断に委ねております。
専門分野や成り立ちを聞いておくことで業者の本音を引き出せることも
業者によって、買取業者が遺品整理を行っている場合や、クリーニング業者が遺品整理を行なっている場合など、さまざまな得意分野がございます。
専門性が高く、手続きが重要となるような相続や不動産に絡んだ遺品整理や、孤独死などの特殊清掃の知見は一朝一夕に獲得できるものではないため、業者の経験が問われるところです。
そのため、ご自身の状況を説明した上で、業者がとくに専門としている分野を見てみると良いでしょう。
提携先などがない状態での「なんでもできます」は結局「何もできない」ということになってしまうことだってあるからです。
私たち横浜ベスト遺品整理社では、このポイントをとくに重要視し、提携する士業さんや不動産業者さんなどに大きな協力をいただきながら、業者間をまたいだチームプレーで片付け作業を行うことを重視しています。
遺品整理業者の選び方(まとめ)
ここまで、遺品整理業者である筆者が、身内の遺品整理を他の業者にみなさんと同じ条件で選ぶとしたら、という仮定の上でポイントをまとめました。
重要なのは、ご自身の課題を見える形にしておくことと、判断材料を揃えることで、身近でサポートしてくれる業者を探すことです。
まず、ご自身やご家族の抱える課題を見える形にしておくには、先に挙げたリストのように、ただ漠然と「家を片付けたい」というところから、どのように片付けていくのか、そして片付けの先にどのようなことを行っていきたいのかを掘り下げていきましょう。
こうすることで、遺品整理業者に依頼するときに、あなたが重視しているポイントが浮かび上がります。
さらに、あなたが重視しているポイントを見積もりに来た遺品整理業者に訪ねることによって、回答を得ることができます。
また、疑問や質問に対して、納得のできる回答を得られるのかどうかを判断することもできるのです。
得られた回答を並べたり、比較することで、求めているものに一番近い業者を選ぶことができるようになります。
そして、判断材料として、これらの情報を元に、見積書や、電話応対、見積もりスタッフの対応などのポイントを総合的に判断して決定するのが良いでしょう。
日本語は文脈に依存して、意味が変わってしまう言葉です。そのため、会話の節々では「誰が」「何を」「どのようにするのか」といったやりとりを行うことで、トラブルを回避することも可能になります。
この記事が、遺品整理業者を選ぶ方の一助となれば幸いです。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。