遺品整理は、喪主や遺族が故人の遺品を整理する過程です。この作業は単なる「片付け」以上のものです。
感情的な負担はもちろん、法的な手続きや費用、さらには近隣との関係にも影響します。
この記事では、遺品整理でのよくあるトラブルとその防止方法、そして効率的な手続き方法について解説します。
遺品整理でよくあるトラブルを知って最優先
遺品整理ではトラブルが思わぬところに潜んでいる場合があります。
準備はしっかりと行なわないと、後になって近隣からの苦情や予想外の手痛い出費が発生することも考えられます。
たとえば、遺品整理はしばしば大量のゴミや騒音を伴う作業です。
これが近隣とのトラブルを引き起こす可能性があります。
事前に近隣の方々へ挨拶をして、作業内容を説明することが重要です。
さらに、遺品整理には思わぬ費用がかかる場合も考慮すべき点だと言えるでしょう。
専門業者を雇う場合、費用が高額になることもあります。見積もりをしっかりと取って、予算計画を立てましょう。
最後に、遺産分割協議や相続税の申告など、遺品整理には多くの法的手続きが関わっています。これらの手続きを怠ると、後で大きなトラブルにつながる可能性がある点も注意が必要です。
遺品整理前にとくに必要な3つのポイント
1. 近隣の方への挨拶
作業を始める前には、必ず近隣の方へ挨拶を行いましょう。これは近隣トラブルを防ぐための基本的なマナーです。
日頃から地域と積極的な関わりが無くても、隣に住む方へは必ず作業する旨を伝えておきましょう。
遺品整理を行う前に、葬儀や手続きなどを行う必要性があり、同居していない場合、その期間中はどうしても家を明けておく必要があります。
ご近所では高齢者が住んでいるかなど気を配る方もいれば、最近見かけないことで不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
遺品整理を業者に依頼した場合や、車を道路に長時間停める必要がある場合など、さまざまな理由で近隣へ迷惑がかかる場合も考えられます。
作業前と、終わった後も近隣へのご挨拶は行なっておくと、丁寧な印象を持ってもらえる他に、予期せぬ苦情トラブルを回避することもできます。
まずは隣の家からご挨拶を始めましょう。
重要書類と貴重品は優先的に探しておこう
重要書類と貴重品は遺品整理を行う前、優先的に探しておきましょう。
- 通帳
- 印鑑
- 権利書
上記の書類は、今後の手続きなどで必要になる方がとくに多い重要書類です。
また、片付けから行なっていると紛失のリスクも増えてしまいますので、必ず見つけたら別個で保管するようにしましょう。
ご遺品の量が多く、すぐには見つけられない場合は遺品整理業者に依頼して書類探索も行えますので、遺品整理を行う際には必ず重要書類は事前に見つけておきましょう。
不用品を処分するタイミングは事前に確認しておこう
不用品を処分するタイミングは地域毎で変わります。
処分する日が地域で決められているのに、ルールを守らなかったことで近隣からの苦情などトラブルが発生してしまうことも。
各自治体が決めている日を把握した上で、ルールを守って不用品を処分するようにしましょう。
また、離れて暮らしている方には特に注意していただきたいのは『粗大ゴミ』のタイミングです。
作業前には必ず行政のホームページから粗大ゴミの回収センターへ問い合わせを行い、混雑状況を確認しましょう。
これから遺品整理を始めようとした際に、タイミングがずれてしまったことで家賃や税金の発生が加わる恐れがあります。
必ず、タイミングを確認した上で日程を調整し、計画的に遺品整理を行うようにしましょう。
遺品整理でトラブルを防ぐ方法:業者に依頼する時
遺品整理の代表的なトラブルの一例で、悪質な業者へ依頼したことで被害に遭う方もいらっしゃいます。
そもそも、遺品整理で悪質な業者とは、どのような業者を指すのでしょうか?
過去に被害に遭った方からのご意見を基に、悪質な遺品整理業者の特徴をご紹介します。
見積もりの時よりも金額が高額になった
見積もりの意味を為さない典型的な例です。
悪質な業者は見積もりの時までは、確実に依頼を獲得するために『理由なく相場よりも明らかに安い価格』や『他社の見積もり料金を聞く』という行動を取ります。
後者については、営業トークの一環で値下げをするために他社の料金を聞くこともあるため、見積もりの金額から安くなることはあっても、高くなるということはありえません。
供養など、予定には無かった事を頼み忘れて後からお願いすることがあった際には、別途で費用を請求することはあっても、見積もり当初から何も変わってないのに『作業が予定より多かったから』という理由で作業後に金額を上げる業者は明らかに悪質な手口です。
遺品整理の費用はお見積もりの時点でどのような対応が必要かを、遺品整理士が現場で一つずつ確認してお見積もりを行うため、公正な料金を提示するように努めています。
業者によってはお引き取りするご遺品の量が変わったかどうかを明らかにするために写真を撮影して、お見積もりをする業者もおりますので、見積もりの際には必ず『作業で金額が上がることがないか』を事前に確認しておきましょう。
遺品整理業の本質はサービス業であり、接客業でもあるためスタッフの指導・教育はしっかりと行っています。
しかし『汚れた作業着のままで来る』『仏壇を粗大ゴミ扱いする』などの対応をされて、不快に思われた方も実際にいらっしゃいました。
一番基本的な部分である『身だしなみ』や『応対の態度』などの指導が不足している業者に、安心して家の鍵や大切な遺品を預けることはできません。
予防策として、あなたが安心してお願いしようと思える業者に頼むことが一番です。
最初にお見積もりをお願いする時の挨拶から、業者の対応を見て見積もりをしてもらいましょう。
遺品整理で見積もりの料金と作業の内容は相見積もりでトラブルを回避しよう
遺品整理でトラブルを回避するために有効な対策として、相見積もりという方法があります。
相見積もりとは、複数の業者に見積もりに来てもらって、金額やサービス内容を比較して検討する事を指します。
先ほどご紹介した悪質な業者から身を守る方法として、3社を目安に見積もりを行なってもらい、内容を比較してみましょう。
時間が無いという理由で、何社も呼べない場合はホームページで更新されているブログなどを確認してみましょう。
地域最安値などの内容だけでなく、実際にどのような事をしている業者なのかをしっかりと確認しておけば業者選びに失敗するリスクは減らせます。
また、見積もりに来たスタッフの対応や、金額の違いから不審な点があれば質問をして、一番安心できる業者にお願いすれば、あなたが損をせずに遺品整理を終えることができるでしょう。
遺品整理のトラブルを回避する方法まとめ
遺品整理のトラブルを回避する方法を3つにまとめましたので、おさらいしておきましょう。
- 遺品整理を自分で始める前には近隣への挨拶、重要書類の探索、粗大ゴミの回収日程は必ず確認しましょう。
- 悪質な業者は見積もり後の金額を上げたり、スタッフの教育が行き届いてない場合もあります。事前に相見積もりで慎重に比較しましょう。
- あなたが安心できる業者を選んだり、事前に計画を立てることでトラブルなく安心して遺品整理を終えることができる。
遺品整理は煩雑な作業ですが、しっかりとした準備と計画によって、多くのトラブルを防ぐことができます。
この記事がお困りの方への一助となれば幸いです。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。