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老人ホームの遺品整理:業者へ依頼する前に知るべき3つのポイント

老人ホームの遺品整理や生前整理は、自宅の場合と本質的な違いはありません。ただし、考慮すべき点が自宅と老人ホームでは異なるため、経験豊富な業者を調べ、予算や都合に合わせて対応可能な業者を選ぶのが大切です。
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老人ホームの遺品整理は、どのようにすべきなのでしょうか。

サービスの行き届いた老人ホームが増加する一方で、退去時の方法について案内されないケースは意外に多いようです。

そこで今回は、老人ホームのお片付けを業者へ依頼する場合に知っておくべきポイントを3つにまとめてご紹介いたします。

なお近頃では、入所した老人ホームがご家族に合わず、医療支援あるいは自立支援を目的とした施設に住み替えるといったケースで、お片付けと家財の移動をご依頼いただくことも多くなってまいりました。

私たちは老人ホーム探しについても一定の知見を有しています。くわしくは、以下の記事をご覧ください。

老人ホームを探す:ご家族に最適な施設を無料で紹介するサービスがある

種類が多くてわかりづらい老人ホームの費用や特徴を一覧でご紹介します。

老人ホームでの遺品整理作業は、自宅に比べて短時間かつ安価になる。

老人ホームと自宅の遺品整理作業の違いは、老人ホームの方が自宅の遺品整理と比較して、短時間で作業が終わり、低価格で完了できるという点に集約されます。

荷物が少なく、管理されているため低価格で迅速な作業に

老人ホームに入所する場合には、最低限の荷物と共に入所される方が多く、ご自宅に比べて非常に少ない時間と費用で行えます。

というのも、施設のスタッフさんや介護士さん、ヘルパーさんが出入りされるケースも多いため清潔で、ゴミ屋敷かするなどといったことはありません。

また、エレベーターや動線も非常に整っており、大人数での作業が必要ないといった点で人件費をそれほどかけなくても作業が迅速に完了できるからです。

おおよそ1DK程度の間取りの比較的大きなお部屋でも、半日もかからずに完了するケースが多く、価格も買取やリサイクル品などを含めて約3〜7万円程度で完了するケースが少なくありません。

老人ホームという施設の性格上、入所前に整理を行われるケースもあるように、身軽に老人ホームで新生活を始められる方が多く、物量の少ない生活を送られている方の多いことが、短時間で低価格なお片付け作業となる理由です。

親が介護施設に入る際の実家の片付けはどうしたら良いのか。

施設や入所者とのトラブルにならないための打ち合わせと静かな作業。

まずは、他の入所者の皆さんに配慮したお片付け作業が必須です。

老人ホームや介護施設には、常に介助やリハビリが必要な健康状態の万全ではない方も多数いらっしゃいます。平穏な生活を見ださぬよう、他の入所者への配慮として、入所されている方が亡くなられたという情報を老人ホームから他の入所者の方へ明かさない場合も多く、それだけ慎重な作業が求められます。

いつもの生活とは違ったものとして入所者の皆さんに不安や精神的な負担を強いることのないよう、いつも出入りしていない業者が頻繁に出入りするなどの目立った行動は極力避けた作業が必要なのです。

なるべくコンパクトに荷物をまとめ、少ない回数で運び出すことで、施設に迷惑をかけないようにしています。

老人ホームのルールを守って衛生管理の行き届いた作業を

老人ホームの遺品整理を業者へ依頼する場合には、老人ホームのルールを遵守し、衛生管理に配慮した作業が可能な事業者を選びましょう。

たとえば、多くの老人ホームでは防犯や事故防止の観点から、内部職員用のエレベーターと面会者・入所者専用のエレベーターを分けていたり、感染防止のため、入所者との接触機会を減らすための配慮がなされていたりするケースが多くなっています。

業者に依頼する場合には、昨今の情勢を反映し、感染予防対策として台車や器具、スタッフの作業着に至るまですべて除菌スプレーで消毒するといった作業が求められます。さらに、他の入所者と顔を合わせる動線とならないように、事前に使用するエレベーターや廊下などを打ち合わせるなどの工夫も必要です。

業者には、老人ホームや系列法人ごとに異なったルールを事前にしっかりと把握しておくことで、施設側との無用のトラブルを避けるといった配慮も望まれます。

老人ホームなどの施設側やスタッフの皆さん、そして何よりも入所者の皆さんとトラブルを避けるため、入所されていた施設の方との打ち合わせを行いながら慌ただしくせず、皆さんの生活環境を乱さないような配慮として事前の打ち合わせと、静かで衛生管理の行き届いた作業の2点をしっかり守る必要があるのです。

老人ホームの遺品整理を行う前にあなたがすべきこと

老人ホームの遺品整理を業者へ依頼する前にあなたがすべきことは、施設との打ち合わせと、施設の中にある重要な物品や書類を確保しておくことです。

多くの場合、ご家族が身元保証人となるケースも多く、相続と同時に退去時の精算やその他の手続きはご家族が行うことになります。身元保証を請け負ってくるサービスを利用している場合には、サービスを運営する企業や団体へ確認を行っておくと安心です。

老人ホームへの退去手続きや規定、お金に関係する内容を確認、把握しておく

老人ホームの退去手続きは、各老人ホームで定められている規約や規定に基づいて、主に入所時に合意を取り交わしている内容に基づいているケースが多いようです。

一般的には、退去予定日の1か月前までに申し出を行ったのちに、精算と退去手続きになるといった流れになります。

大きな問題となるのはやはりお金です。

老人ホームは賃貸の家賃と同じように月ごとに支払うシステムを採用している場合がほとんどです。そのため、なるべく迅速に退去できる方針で計画を立てておくと良いでしょう。必要であれば、遺品整理業者などに依頼するのも選択肢のひとつです。

なお、退去時には、入居一時金の返還や原状回復費用等の精算についてトラブルとなるケースもあることから、しっかりと規定を確認しておきましょう。

たとえば、月の利用料については生産できるにもかかわらず、入居契約金については返還できないとして訴訟となったケースもあるようです。

相続や事務手続き・必要な書類の確保

老人ホームを退去するにあたって、相続に必要な書類や貴重品の整理は必須です。

相続に必要な書類や、遺品整理の際に残しておくべき書類は多岐に渡ります。

通帳や印鑑、保険に関する書類や不動産登記などが重要書類として保管されていれば、必ず事前に確保しておきましょう。

実はこんなに。遺品整理で残しておくものリスト一覧(保存版)

なお、相続放棄をお考えの場合や、遺産分割協議前に遺品整理を行う場合には、専門家によっても遺品整理をして良いかどうかの判断が分かれることもあります。

そのため、相続放棄や遺産分割協議前の老人ホームの遺品整理をお考えの方には、士業などの方に相談をされてからの作業の方が安心でしょう。

要不要を判断して業者に共有

先述したように、長年の生活環境とは異なり、物品の少ないケースが大半なため、業者へ依頼する前に要不要を判断できるケースが非常に多くなります。

そのため、ご家族の皆さんへは事前に部屋の中を観察していただき、必要なものと不要なものを把握しておかれることをオススメしています。

事前に自分の目で確かめることによって、もしも不明な物品や相続に関連する残しておかなければならないような物品を発見した場合には、業者へ要不要を相談することも可能でしょう。

老人ホームの遺品整理業社の見極めるポイント

老人ホームの遺品整理業社を見極めるためのポイントは、老人ホームの片付け実績が豊富かどうか、そして買取など付随するサービスが充実しているかどうかです。

老人ホームの遺品整理作業では、物量などが理由で業者によって作業費用の差が生まれづらいように感じます。そのため、コストを抑えた整理とするために買取などを積極的に行ってくれることや残された物品の運搬など、遺品整理に付随するサービスが決め手となることが多いでしょう。

とはいえ、事前に見積もりを複数社で取っておくことはトラブルや費用感を知るためにとても重要です。事前に業者と話をすることで、信頼できそうなのか、そして他の業者が話す内容との違いを見つけて比較できるからです。

老人ホームの片付け実績が多い業者に依頼しよう。

遺品整理の実作業以外のサービスに目が行きがちではあるものの、もっとも重要なのは、老人ホームといった特殊な施設での片付け作業の経験を多く有している人間かどうかというポイントは忘れないようにしたいところです。

一般の住宅での遺品整理の経験は有していても、老人ホームでの片付け経験が少ないといった業者は少なくありません。

まったく実績がない業者に依頼すると、他の入所者や施設スタッフに迷惑をかけてしまうことにもなりかねず、慎重に選びたいところです。

また、老人ホームの経験を有しているといっても、ただスタッフ1人が専属で老人ホームに行っているのか、それともあえて輪番制として高品質な老人ホームの整理を行うための企業努力をしているかどうかで作業の品質や施設スタッフの反応も大きく異なります。

以上の理由を総合的に判断して、最終的にはあなたの意見に耳を傾けて、施設へ一緒に立ち入っても問題ないと感じるような対応のできる業者を選ぶと良いでしょう。

これらの内容は、頭の片隅に意識しておくだけでも役立つ場面があることでしょう。

遺品整理業者の賢い選び方:見極め方と上手なクチコミ利用法

業者に依頼する場合には「丸投げ」しない。

老人ホームの遺品整理を業者に依頼する場合には、事前に必ずお部屋を見回しておくことで、後悔することのない作業となることでしょう。

注意すべきは、思考停止で業者に丸投げすることはしないようにしましょう。

あなたの意志や想像通りの作業を実現するためには業者へ任せきりにすることなく、事前に意思をしっかりと伝えるべきですし、良い業者はその意見を待っていて、しっかりと耳を傾けます。私たちはお客さまの意思をしっかりと把握した上で作業を行うことで、自信を持って作業を行うことができるようになります。

また、事前に短時間でも電話や現地で打ち合わせを行うことは、施設側で定められていルールは施設によって大きく異なっている情報を把握する上でとても重要です。

遺品整理の注意点:後悔せずトラブルを避けるための依頼方法

なお、介護福祉施設の関係者の方から、ご家族が遠方にお住まいといった理由で入所者の方の遺品整理や不用品買取や処分といった内容をご依頼いただくケースもございます。どのような場合でも当事者あるいはスタッフの方に作業前後には必ず同伴していただき、関係者で内容を共有しながら作業を進めています。

まとめ

今回は、老人ホームの遺品整理についてご紹介いたしました。

私たちは、老人ホームの遺品整理では、コストのかからないうちに退去の手続きを進め、迅速に部屋をお片付けしておくといった方針で進められることをオススメしています。

また、混乱を避けるために、施設へ入所される前に生前整理を行っておくなどといった形で事前にリスクを小さくしておくことも有効でしょう。

老人ホームの遺品整理をお考えの方にとって、この記事が参考になれば幸甚です。最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。