そもそも生前整理とは何歳でも始められるのか?
生前整理とは、自分が生きているうちに自分の財産や所有物を整理することです。
たとえば持ち物を減らせば、自分が他界したあとの遺品整理はグッと楽になり、費用も抑えられるでしょう。遺族の負担が少なくなります。
ではいつから始めればいいのでしょうか。何歳ぐらいが目安になるのでしょう。
日本人の平均寿命は2016年の統計で、女性87.14歳、男性80.98歳と過去最高です。
でも、この少し前から生前整理に取りかかればいいという訳ではありません。
平均寿命の前に健康寿命があります。
健康上の問題で日常生活が制限されること無く生活できる期間、これが健康寿命です。
こちらは概算になりますが、女性74.21歳、男性71.19歳とされています。
でもこの少し前から始めればいい、という訳でもありません。
もっともっと前から始めたほうがいいのです。
生前整理を早く始めるメリット
健康寿命は概算で、しかも平均値です。このくらいの年齢になると何らかの問題が起こっても不思議ではない、という年齢です。もちろん個人差がありますのでもっと以前に問題が発生する可能性もあります。
しかし、実は体の問題だけではありません。
体が衰える前に「気力」が衰えてくるのが一番の問題なのです。

次の項目に心当たりがあれば、少し自覚が必要かもしれません。
- 掃除や洗濯の回数が減っている
- 部屋が多少散らかっていても平気になってきた
- 外出の回数が減ってきた
- 読もうと思っている本が途中のままになっている
- 食事が簡素になってきた
いかがでしょうか?
気力が衰えてくると、いろいろ億劫になってしまいます。これは誰でも同じこと。
そうなってからでは全てが遅々として進まなくなってしまいます。
つまり身の回りの片付けも億劫になってきて、生前整理も思うに任せなくなってしまいます。
早めに生前整理に取り掛かるメリットは、ここにあります。
自分だけではありません。
もし親にそうした傾向があれば、何らかの理由をつけてでも早めに整理に取り掛かるのが賢明といえます。
気力があって、記憶もハッキリしているうちに生前整理に取り掛かるのがいいでしょう。
メリットはそれだけではありません。
生前整理を進めていくと、不要なものを次々と処分していくことになります。
処分したものがあったところには、新たな空間ができることになります。
丸々ひと部屋分空いてしまうこともあれば、もっと進むとたったひと部屋で全てが収まってしまうということも。
家の中がスッキリと広くなると、気持ちにゆとりが生まれてきます。
新たな空間で、やりたかったことができるかもしれません。これも大きなメリットです。
生前整理は家族のためだけではありません。
新たに自分を見つめ、自分の新しいライフスタイルを身につける機会にもなるのです。
結局のところ、いつから始めるのが一番いいのか
生前整理は、いつからでも始めることができます。
でも、何かを始めるときには、自分なりにでもキッカケがないと始めづらいものです。
その一つのキッカケは定年退職、還暦、60歳の節目でしょう。
会社勤めの方なら会社生活から開放されて、新たな生活がスタートします。と同時に「老い」という言葉がちらつき始める時期でもあります。
身の回りの物を減らして新たな生活へ向かうキッカケになるでしょう。
もう少し早めのキッカケとしては子育ての区切りがあります。
子育てが一段落したあとは、自分の時間が取りやすくなります。
また、定年後の生き方にも思いを巡らす時期でもあります。多くは50代でしょう。
自分ではまだまだと思っていても「老い」は確実に平等に近づいてきます。
「老い」を自覚し始める前に生前整理を始めるのがベストです。
まだまだ、と思えるのは気力も十分な状態。
その時期に取り掛かれば、新しいライフスタイルが見えてくるのもきっと早いはずです。
部屋の中に多くの物があると、それだけで知らずにストレスも溜まるといわれます。
物が少ないシンプルな生活は、今後の生き方に新たな視点をもたらしてくれることでしょう。