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遺品整理で失敗しない秘訣:20年の経験から学ぶ、当日の注意点5つ

遺品整理や生前整理などのお片付け作業を2000年から行ってきた私たちが、作業当日に注意していることをまとめました。業者に依頼する場合にも、個人で行う場合にも配慮が必要な内容です。
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遺品整理をお考えの方にとって当日の作業がどのように行われるのか、想像するのは難しいことです。

想像するのが難しい理由は、これまでに経験したことがないから。つまり、ある程度の流れをイメージすることができれば、事前に注意したいポイントも把握できます。

私たち業者による遺品整理などのお片付けについての情報は、相場や価格についてなど事前に検討している方にとってのものばかりで、当日の注意点に触れているものは少なかったりします。

👉遺品整理とは何か?

そこで、今回は遺品整理の当日に最低限注意しておきたい5つのポイントをご紹介します。

  • 近隣の方へのトラブルを避けるためのあいさつ
  • 騒音への対策:ドアや窓を開放したままの作業を控える
  • 大声での会話を控える
  • 廊下などの共用部分への物品を放置しない
  • 会社のロゴが大きく入ったトラックで作業をしない
  • 下見や打ち合わせを念入りに行い、問題を予見する

以下、ひとつずつご紹介いたします。

なお、実際の作業内容や、作業前に準備しておきたい内容については「実家の片付けの2ヶ月前からやっておくべきこと全手順」にてご紹介しております。合わせてご覧ください。

近隣の方へのトラブルを避けるためのあいさつ

お客様の声かねてから騒音について言われたご近所の方がおり、心配していましたが、作業前に近隣の方へとても丁寧なあいさつをしてくださったので、トラブルを未然に防ぐことができました。

トラブルを防ぐためには、近隣の方へのあいさつが必要不可欠です。

引っ越しなどと同様、お部屋の片付けでは普段接することのない作業スタッフがご近所やマンション内を物を持って移動することになります。

近隣のほとんどの方が、あいさつをせずとも多少の我慢をしてくださると思います。

しかしながら、ごく一部のセンシティブな方とのトラブルが発生してしまえば、近隣の皆様全員にご迷惑をかけることになりかねません。

トラブルを回避するために、事前に近隣の方と合意を形成しておくことで、万が一のトラブル時に適切な対処を取れる可能性が高まります。

騒音への対策:ドアや窓を開放したままの作業を控える

お客様の声整理の後、私たち家族が部屋を使う予定です。とにかくものが多いので心配していましたが(中略)物を落としたり大きな音が出るようなこともなく終わって本当に感謝しております。

上の階の子供の走る足音が響くとおっしゃっておられたお客様は、作業をすることで自分の部屋の騒音が下の階響かないかどうかを心配されていました。

それもそのはずで、生活騒音と呼ばれるこの種のトラブルが大ごとになってしまうケースを頻繁に耳にします。

環境省は住宅地における騒音についての環境基準値を昼間(6時〜22時)50〜55dB以下、夜間(22時から翌朝6時)40〜45dB以下と定めています。(環境省:「騒音に係る環境基準について」の環境庁告示について

日常的な音量の話し声が60dB程度、エアコンの室外機付近が50dBとされています。なお、生活騒音については、スマートフォンアプリを使うと簡単に測定できます。「騒音測定アプリ」などで検索してみてください。

押し入れから物を出したり、タンスを移動させるなど片付け作業では想定外の音が発生してしまうこともあります。ドアの開閉音も何度も繰り返されるとストレスです。

音を外に漏らさないよう作業するためには、すべてのドアや窓を解放したまま作業をしないこと、そして何より音の発生を常識の範囲に留めるための配慮が必要です。

私たちは、可能な限りドアや窓を解放したままの作業を行わないように努めています。また、壁や床に物を落とさないよう工夫しながら作業を行っています。

締め切った現場では健康へのリスクにもなることから、夏季はファン付きの空調ベスト着用、冬季は防寒対策を徹底するなどの対策をさせていただくことがあります。

大声での会話を控える

お客様の声イヤホンとトランシーバーを使って指示を出していたのがよかった。

ドアや窓を開放したままの作業を控えるのと同時に、大声での会話を控えることも重要です。

お客様の大切な品物を扱う以上、キズがつくことを心配して「気をつけて!」などと、つい声に力が入ってしまいます。

他にも「おーい! それこっち」などと遠くからスタッフに指示をするときや、作業にエキサイトしてしまうと、ついつい声も大きくなってしまいます。

しかし、大声は90dBと窓を開けた地下鉄の車内と同じくらいの騒音です。うるさくて我慢できないと感じるご近所のかたがいらっしゃるのは当然のことです。

さらに会話の内容も外に伝わってしまうためプライバシーの問題もあります。

こうしたことを避けるため、インカムやトランシーバーとヘッドセットを利用して大声を出さない作業を徹底しています。複数人へ同時に指示を出すことができるので、非常に便利な側面もあります。

業者に依頼する場合には、こうしたことに配慮している場合がほとんどですが、気になる方は一度確認しておかれると良いでしょう。

ご自身で作業を行う場合には、大声での会話することは避け、扉を静かに閉めるなど、対策を徹底しましょう。

騒音は「静かに作業をしよう」と考え少し配慮した行動をとるだけでずいぶん改善できるのです。

廊下などの共用部分への物品を放置しない

お客様の声(一部省略)養生について説明したいので、管理室まで来て欲しいと管理会社に言われました。作業を始める前に管理会社さんとしっかり打ち合わせしてくれてよかったです。

マンションやアパート、団地などの共用廊下へは原則として物を置くことができません。

とはいえ、引っ越し時と同じように、お片付けの作業においても、搬出や一時的な移動のために共用部分を使用させていただく必要があります。

そこで、私たちは事前の許可を得て作業を行っています。賃貸であれば管理会社さん大家さん、分譲マンションのようなケースでは、管理会社さん、管理組合や自治会の皆さんに作業する旨をお伝えし、必要な場合には許可をいただきます。

私たちは、お客様の依頼で作業を行うわけですが、何かトラブルがあれば管理会社さんなどから指摘を受けるのはお客様自身であるケースが多い印象です。

業者が行う場合にも、ご家族で遺品整理を行う場合にも、共同住宅のような形式の場合には、管理会社さんなどに作業を行うこと、共用部分の保護をしっかりとする旨を伝えるのが良いでしょう。

きちんとした説明と常識の範囲内での共用部分の利用で、トラブルを未然に防ぐことができます。

会社のロゴが大きく入ったトラックでの訪問・作業をしない

お客様の声トラックに遺品整理と書いていなかったので安心して作業を頼めた。

これは業者に依頼した場合のお話ですが、トラックにかかれる文字を気にされるお客様も比較的多い印象です。

ご近所に「遺品整理」という文字や電話番号、屋号が大きく描かれたトラックで訪問されると「遺品整理を外に頼んでいるのだ」と宣伝しているような雰囲気となってしまいます。

遺品整理サービスを利用する方は非常に増えておりますが、やはり大きく遺品整理と書かれたトラックで訪問されるのはお客様にとっても気になるポイントだと感じます。

私たちは自社トラックにも遺品整理という文字を入れず、電話番号等の記載はしておりません。

白色のトラックで訪問し、適切な駐車場所を事前に打ち合わせ、丁寧に作業を行っています。

まれに交通量の幹線道路にトラックを横付けして作業をしているケースをお見受けすることがありますが、他の交通の迷惑になるような行為も慎まねばなりません。

下見や打ち合わせを念入りに行い、問題を予見する

お客様の声打ち合わせの時から、探しておいて欲しいもののメモリストや、重要なものをまとめておく段ボールを用意してくださるなど、きめの細かい対応がよかった。

ここまで述べてきたような5つのポイントを守るだけでは、不足の事態に対応することができません。

東京・神奈川エリアの遺品整理や生前整理を行ってきた私たちは、地域の特性などについての配慮を行い、念入りな打ち合わせを行って作業を行います。

すべては、事前にトラブルとなりそうな部分を予見し、トラブルを未然に防ぐための配慮です。

お片付けについては、道路事情や慣習など地域の特性を理解した上での作業計画と打ち合わせが必要だと考えています。

経験から仕組みの上で排除できるトラブルも多数ありますが、実際には、近隣の皆様との関係性を考慮して柔軟な対応が求められます。

事前の下見や打ち合わせを念入りに行っておくことは、問題の事前発見にとどまらず、解決方法を作業前に作ることができるという点で非常に有益です。

近隣の方への迷惑をかけない配慮を徹底する

遺品整理や生前整理などのお片付けでは、価格や買取などといったお金の部分に目が行きがちです。

しかしながら、近隣の方への配慮が必要不可欠です。とくにお片付け後にあなたやあなたのご家族が住み、新生活を送られる場合には必須と言えるでしょう。

引っ越しよりも配慮が必要なお部屋のお片付け作業についての作業の品質や価格と同じくらい重要なのが、いかに近隣の方へご迷惑をかけないように配慮した作業ができるか、というポイントです。

今回ご紹介したポイントを最低限配慮することよって、トラブルは大きく軽減できるはずです。

この記事が、今後お部屋のお片付けを控えた方への一助となれば幸いです。

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

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