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遺品整理と不用品回収の違い:業者で異なる残置物仕分けと捜索能力

相続に関して大切な手がかりとなる行方不明の通帳や印鑑、権利書類を捜索するなど遺品整理の作業は不用品回収の作業とは大きく異なります。遺品整理と不用品回収の違いについてご紹介します。
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お亡くなりになった方のお家やお部屋を片付けるサービスとして、不用品回収と遺品整理はどのように違うのでしょうか。

この記事では、遺品整理業社と不用品業社の違いを明らかにしながら、お客様が利用されるシーンを想定し、それぞれどのようなシーンで遺品整理業者に依頼すべきなのかをお伝えいたします。

なお、当記事は不用品回収と遺品整理それぞれの優位性を比較することが目的ではありません。またそれぞれのサービスの欠点などをあげつらって比較することが目的ではなくそれぞれどのような特徴があるのかをお伝えすることを目的としてます。

「遺品」と「不用品」の違い

遺品整理と不用品回収の違いを考えるとき、遺品や不用品とは何かを知ることはとても重要です。

ここでは簡単にそれぞれの言葉が、作業を行う業者の中でどのように使われているのかをお知らせします。

用語意味所有者
不用品壊れていて修理できないジャンク品明確
不要品壊れていないが、必要なくなったもの明確
遺品故人によって残された物品すべて。残置物とも。明確でないものがある

不用品・不要品とは何か?

不用品とは、必用のない品のことを指します。

不用品の「用」の字は「薬の用法」などのように使い方や機能といった意味があります。

すなわち、壊れてもう使えない物品が不用品です。

たとえば、電源が入らなくなって使えなくなった家電は不用品です。

同じ読み方で「不要品」という表現があります。

不要品は「必要のない」品という意味であり、壊れてはいないものの、自分自身がもう使わなくなったものを指します。

たとえば、まだ使えるものの買い換えるので必要なくなった家電は不要品です。

遺品(残置物)とは何か?

次に遺品について見ていきます。

不要品などとは異なり、遺品はご自宅に残された生活雑貨や日用品、家具などの残されたものすべてを指します

業者によって異なる解釈を持つ場合もあるようですが、少なくとも私たちは遺品とは不動産以外のすべての物品のことを「遺品」として表現いたします(不動産業者さんなどは「残置物」と言ったりもします)

そして、一般的に「ゴミ屋敷」と表現されるような状況は「モノ屋敷」と表現しています。

なぜなら、私たちにとって、遺品はゴミではないからです。

遺品はゴミではない

私たち遺品整理業者にとって遺品はゴミではありません。

遺品がゴミではないことは、ご依頼いただくあなたや、ご家族にはあまりにも当たり前のことではないでしょうか。

しかしながら、この当たり前のことを当たり前としてできていない業者がとても多いことを実感する出来事が増えています。とても悲しいことです。

実は、私たちの創業時から大切にしている考え方の1つに「遺品はゴミではない」という考えがあります。

遺品整理の場合には故人様の思いが、またそのほかの整理においても所有者の方の思いが残された物品にあります。そのため、人と同様モノにも心があることを考えて作業に臨む必要があるのです。

少なくとも人にも、モノにも心があることを考えることができれば、大きなミスを防ぎ、どんなに急いでいても物を投げるなどの雑な作業になることはないのです。

遺品整理業者と不用品業者の遺品の取り扱いのちがい

次に、遺品整理業者と不用品回収業者の遺品についての取り扱いについて見てみます。

簡単にまとめると、以下のようになります。

大まかな作業項目遺品整理不用品回収
仕分け・分別作業×
搬出作業
買取・リサイクルの査定
物品の回収と処分
簡易清掃×
オプション作業×

遺品整理において、遺品整理業者は残されたものの中にゴミはほとんど存在しないという観点で現場を見ます。

さらに、お客様にとって重要なものを発見しなくてはいけませんから、仕分けや分別作業を慎重に行い、ご家族にご判断をいただきながら、黒子のように作業を進めます。

一方、不用品業社は故人様のものであっても、不用品には変わりないものとして扱うケースが多いようです。「あくまでも壊れていたり必要なくなったもの」を回収するのが目的であるからです。

不用品回収業社は、不用品とそうでないものの区別をする知見を有するものの、ご遺品であるということに対しての意識は、遺品整理業社の認識とは異なります。

あくまでも効率や合理性優先で、作業を進めていくという印象をお持ちの方もいらっしゃるようです。

対して遺品整理業者は、ご遺品はゴミではなく、故人様の思いの詰まった大切な品であることを常に意識し、可能な限りリサイクル物品として買取可能なお品を次にご利用いただける方のために買取を行うなどの作業を徹底しています。

故人様の所有物は、ご家族にとっての形見の品はもちろん、残された物品ひとつ残らずを「ご遺品」として仕分けなどの作業も行う点が不用品回収とは決定的に異なるのです。

不用品回収は効率や合理性優先だとお伝えしましたが、決してこれは消極的な意味ではありません。

合理性という観点では、残されたご実家の物品を自分たちで事前に仕分け、本当に不要となったものだけを不用品回収業社に出すなどして、遺品整理業者のお片付け作業よりも効率よく安価に作業を進めることができます。

遺品整理業者を依頼すべきシーン

ここまで不用品回収業者と遺品整理業者の性質の違いについてご紹介してきました。

方向性が異なるだけでどちらにもメリットが存在します。

では遺品整理業者に依頼すべきだと言えるのはどのような場面なのでしょうか。

遺品整理と不要品回収の違いは、作業を行い、特殊な知見を持つかどうか

先にお伝えしてきたように、遺品整理と不用品回収の違いは「仕分け」や「搬出」といった遺品整理ならではの知識や経験に基づいた作業ができるかどうかにあると言えるでしょう。

遺品整理のようなシーンでは、依頼主である親族の方でさえ予期しない物品に遭遇することがとても多いはずです。

予期しない物品とは、貴金属など貴重なものだけではなく、たとえば大量の紙類などのリサイクル資源や、使い残した灯油、使用期限を超過した消化器などです。

処分方法に特殊な方法を用いたり、一般家庭ごみとして出すことができないものを迅速に処置できるのも遺品整理業者に依頼するメリットと言えるでしょう。

もちろん、ご自身で遺品整理作業を行う場合など「回収」をメインとするのであれば不用品回収に依頼するのは賢い選択肢と言えます。

しかしながら、親族も把握していない大切な物品の捜索や、経験に基づいた迅速なお片付け作業をお望みなら、遺品整理業者に依頼するのが良いと言えるのです。

遺品整理業者は大切な物品の捜索を行うことができる。

さらに遺品整理業者に依頼するメリットは特殊な知見を持った作業だけではありません。

遺品整理業者の仕分け作業では、本当に大切な物品の捜索を行うことができるのです。

たとえば、私たち遺品整理業者はどんなに汚れた通帳でも欠けてしまった印鑑でも、残しておくべきと判断したものは必ず保全し、勝手に処分することはありません

参考:実はこんなに。遺品整理で残しておくものリスト一覧

遺品整理をお考えの方は、ご両親の実家とは別に生活をされていることがほとんどで、日々同じ生活空間にいるわけではありません。

そのため、どこに大切なものがあるのか、思い出の品や大切にしていた物品がどこにあるのか、すぐに把握できない場合がほとんどです。

こうした時、遺品整理業社は、これまでの経験から、おおよその傾向として、重要なものが保存されている箇所を把握しています。

ご実家のもの探しを毎日のように行なっているため、相応の知見が蓄えられているのです。

そのため、一般の方よりも、非常にスピーディーかつ首尾よく、お客様が見つけてほしい物品を探し出すことができるのです。

遺品整理と不用品回収の違いは遺品の扱い方にも現れる

遺品をどのように扱うかは、遺品整理の業者にとっては大きな課題であり、もっとも難しいポイントのひとつです。

遺品整理は、まず、大切なものや残しておきたいものの聞き取りから始まります。ご家族にとっての大切なものは千差万別だからです。

「手鏡だけはもし壊れていても残してほしい」と具体的に細かい要望を出される方や「とにかく一切を処分してほしい」という方まで個別に様々なケースがあります。
多少でも「思い出すのが辛い」と一切を見ないで処分するという気持ちも理解できます。ご遺族の気持ちをしっかりと把握しながらヒアリングを行っていきます。

単に「お片付け」であったとしても、不要になったものとそうでないものを仕分けてリサイクルを行うだけの不用品回収とは異なる遺品を扱うという意味をしっかりと理解し、お客様の以降に沿って作業を行うのが遺品整理士なのです。

悪徳業者に注意したい

貴重な知見を持つプロは瞬時に大切な物品の場所を把握することができるとお伝えしました。

こうした特殊で強力な力を持つプロには極めて大きな責任が伴います。

残念ながらこの知見を悪用して、依頼主に伝えることなく貴重品を懐に入れてしまうなど、仕分け作業中にトラブルを起こしてしまうケースはとても多く報告されています。

参考:悪徳業者の根絶を:国民生活センターに多数報告されるトラブル

遺品整理士は国家資格ではないため、遺品整理士認定協会に所属していなくても「遺品整理」を行えるということができてしまいます。

しかしながら、民間資格ではあるものの一定の知見を有する遺品整理士が在籍する業者を選ぶのも安心できる方法のひとつとなります。

安心して任せることのできる業者を探すには、実際の業者による3社以上の相見積もりをオススメいたします。

まとめ

不用品回収業社と遺品整理業者では、残された物品に対する意識がまるで違います。

「不用品」と「ご遺品」という意識の違いがあるだけで、実際の作業は、大きく異なったものになります。

それぞれご自身に最適なケースをご検討くださればと思います。

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

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