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他人事ではない相続税のペナルティ:金額や注意点を解説

ご両親がお亡くなりになるなど、相続が発生した場合、10ヶ月以内に申告や納付を行わないと、相続税についてのペナルティが課せられます。注意すべきポイントや追徴課税の金額についてご紹介します。
相続税申告の記入風景
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相続税はいくらからかかるのか

相続税はいくらからかかるのかでもご紹介しております。

相続税の計算方法は、東京都税理士会HP「やさしい税の話 相続税の計算方法」が一般向けに、極めて分かりやすく解説されています。

簡単にご説明すると、相続税は、各相続人が相続することになる財産の合計である課税価格に対してかけられます。

しかし全額がかけられる訳ではなく「基礎控除」という非課税の金額枠が設けられています。

この相続税の基礎控除を超える財産がある場合、相続税の申告が必要となります。

具体的には「課税価格の合計額」から「基礎控除額」を引いた金額「課税遺産総額」に対して課税されることになります。

課税価格(遺産額)の求め方

遺産の額は、財産額から葬儀費用や債務などを除いた金額を指します。つまり、被相続人の財産から葬儀費用や債務を差し引いた額が、遺産の合計金額となります。

基礎控除の求め方:相続人が4人の場合

4人家族の父親が亡くなった場合、妻と子供2人が相続人となり、基礎控除額は、3,000万円+600万円×3人となり、4,800万円が基礎控除額となります。

4,800万円以上の遺産を持つ場合、相続税の申告が必要になります。

基礎控除の求め方:配偶者1人の場合

相続する法定相続人が配偶者1人の場合には、3,000万円+600万円×1人で3,600万円が基礎控除となります。

相続財産が3,600万円以下であれば、相続税の申告が必要ないと考えられます。

税務調査が行われた件数は全体の1割にも及ぶ

国税庁の「平成30年分における相続税の申告事績の概要」によれば、相続人となった人は超高齢社会の影響により、年々増加傾向にあります。

平成21年は114万人だった被相続人の数は、平成30年には136万人と2割程度増加しています。

なお、2018年度(平成30事務年度)の相続税の実地調査件数(いわゆる税務調査)は、12,463件で3,538億円が申告漏れ課税価格だったとのことです。(国税庁「平成30事務年度における相続税の調査等の状況」)

「相続税の税務調査を受ける確率を最大1%まで下げる方法」では、相続税の実地調査を受ける確率は、所得税の実に9.3倍にも及ぶとされており、相続税の申告は注意して行うべきだと言えるでしょう。

相続税の申告で不備があった場合には

相続税の申告で不備があった場合には、それ相応のペナルティがかかってきます。

相続税のペナルティが課される状況とは、次のようなものです。

  • 被相続人が亡くなってから10ヶ月以内に申告や納付を済ませていない。
  • 相続税の申告内容に不備や誤りがある場合。
  • 事実上相続税を免れるような財産を隠したり、事実を偽った場合(意図的ではなかったとしても)

期限を過ぎたり、申告内容に問題があった場合には、状況に応じて、無申告加算税や延滞税などが課されます。

自分は関係ないと考えていたとしても、後から間違いに気づいたとしても手遅れになってしまうことが多いため、注意が必要です。

仮に、税務調査を受けた場合には何らかのペナルティを受ける可能性があると考えておいた方が良いかもしれません。

ペナルティの金額

次に、具体的なペナルティの額について見ていきます。

課税される相続財産が5,000万円の場合の例で、おおよその目安をご紹介します。

無申告加算税(10~20%)

正当な理由がなく、10ヶ月以内の申告期限までに申告されなかった場合の税金です。

相続財産が5,000万円の場合の加算税は、期限後に自主的に申告した場合には250万円(5%)、税務調査後の場合には、500〜750万円(10〜15%)となります。

※課税額は、期限内に申告した金額と比較して、納付すべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分は20%となるようです。

過少申告加算税(5〜15%)

過少申告加算税とは、申告期限の間に申告したものの、金額が不足している場合に課される追徴課税のことです。

自主的に修正申告すれば、過少申告加算税はかかりません。

相続財産が5,000万円の場合、税務調査後の過少申告加算税は、500〜750万円(10~15%)になると考えられます。

重加算税(35〜40%)

重加算税は、隠蔽や偽装の意図があったと認められる場合に課される追徴課税です。

この重加算税は、無申告加算税や過少申告加算税の代わりに課されるもので、同時に課されることはないようです。仮に重加算税が課される場合、悪質ということになるのでしょう。

申告書を出していて、財産を隠そうとした意図や偽装がある場合には、35%(相続財産が5,000万円の場合、1,750万円)

申告書を出しておらず、財産を隠そうとした意図や偽装がある場合には、40%(相続財産が5,000万円の場合、2,000万円)

延滞税

延滞税は、期限までに納付されない場合に、期限の翌日から支払うまでの日数に応じて加算されます。

いわゆる利息に相当するでしょうか。

支払期日の2ヶ月未満は年率7.3%、2ヶ月以上は、年率14.6%となります。

相続財産が5,000万円の場合、365〜730万円となります。

仮に、相続財産が5,000万円の場合で、無申告加算税の対象となり、2ヶ月以上経過しても支払を行なっていない場合には、1,000万円以上の金額を納税する必要が出てくるのです。

実際に注意しなければならないこと

相続については、専門家に相談することはもちろんですが、自分は関係ないからと、放っておくことは避け、必ず専門家の意見を聞くべきだと言えるでしょう。

理由は2つあります。

理由の1つ目は、「財産」の算出は複雑だからです。

詳しい相続税の計算方法については国税庁HP相続税の計算に詳しく書かれていますが、「相続又は遺贈により取得した財産の価額」+「みなし相続等により取得した財産の価額」・・・などのように、専門用語が並びます。

また、土地の評価額の計算や生命保険金の入金額による相続の解釈など、法律上の文言に照らし合わせて、慎重な作業が必要です。

見解が分かれることもあり、解釈の問題も存在する為、この点はプロに任せるのが得策だと言えるのです。

2つ目の理由は、代々続く資産家でもない限り、顧問弁護士さんや顧問税理士さんに依頼しているケースが稀だからです。

顧問弁護士さんや税理士さんに依頼しているケースでは、連絡を取り合うことが容易で、コミュニケーションもとれる為、最悪の事態を回避することができるでしょう。

しかしながら、日常的に弁護士さんや税理士さんと、やり取りをする機会がないお客様もいらっしゃるかと思います。

日頃からやり取りのない、このケースでは、いざという時の相談先として信頼のおける弁護士さんや税理士さんがいない、という方がほとんどです。

私たち横浜ベスト遺品整理社では、たくさんの士業の方と連携しています。

お困りのことがございましたら、私たち横浜ベスト遺品整理社でもご相談を承りますので、少しでもご不安なことがございましたら、お気軽にお電話ください。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。