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“入居拒否”から解放!高齢者が安心して暮らせる賃貸住宅の秘策

実は高齢者のうち23.6%が一般賃貸入居で断られた経験があるそうです。そんな中、安心して暮らせる住まいの有力な2つの選択肢として、サ高住、高齢者専用賃貸住宅をご紹介します。
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自宅を売却したり、建て替えて子供に引き継ぐなどして、自分たちは高齢者向けの賃貸住宅に移りたいとお考えの方は少なくないようです。

高齢者が現在の持ち家を売却し、身軽に賃貸住宅で生活したいといった需要は増加傾向にあるように感じます。

明確な数字的な根拠はありませんが、近年、このような理由で私たちへご相談いただくお客様は少なくありません。

当社では、サービス付き高齢者向け住宅あるいは老人ホームについてのご紹介も行ってきたため、一定の知見がございます。

そこで今回は、高齢者が一般の賃貸住宅へ住み替える場合などに有力な選択肢となる高齢者むけの賃貸住宅についてご紹介いたします。

なお、住み替えにはシニア向けの分譲マンション等さまざまな選択肢が存在します。多くの選択肢と情報を精査してもっともご家族にあった計画を立てていただくのが重要です。

老後の住み替えを考える人が考慮すべきメリットとデメリット

高齢者が「一般の」賃貸住宅への入居するハードルは高い。

住み替えを考えておられる方がもっとも心配しているのが「入居できるのかどうか」というポイントです。

確かに、高齢者が賃貸住宅に入居するのが難しいという現状を以前から見聞きしています。
とくに65歳以上の高齢者が賃貸住宅に入居するのが難しいようです。

  • 以下のような複数のリスク要因から、オーナーや管理会社などの賃貸主が高齢者への貸出を敬遠する傾向が見受けられます。
  • 年金収入だけでは家賃を払い続けるのが困難だと判断される
  • 一人住まいの高齢者による火災など、潜在的なリスクと判断されていること
  • 単身者の場合には、孤独死のリスクがあること

このことは、当事者である高齢者自身もはっきりと認識されていて、

スーモジャーナル「65歳以上の“入居拒否”4人に1人。知られざる賃貸の「高齢者差別」」山本 久美子

で紹介されているR65不動産の調査によれば、貸住宅を借り続けることが難しいと感じている高齢者が多く、不動産会社に入居を断られた経験がある人も全国で23.6%、関東圏ではさらに高い27.9%に上ります。

高齢者の賃貸住宅への入居ハードルが高いと言われるのは、高齢者向けの賃貸住宅についての現状は、需要増に供給が追い付いていない状態に本質があるように感じられます。

多くの高齢者は生活費などの不足から、家賃が高い高齢者向け住宅に住むことができないといった問題にも直面しています。

そのため、依然として一般の賃貸住宅への入居にハードルが存在していると言わざるを得ないのです。

ハードルは総じて高齢者との賃貸借トラブルを貸主が心配しているからです。
そのための対策として、入居者の相続人を連帯保証人としたり、家賃保証会社や保険には最低限加入しておくのが重要かもしれません。

高齢者の賃貸住宅に対する条件とは。

高齢者向けの賃貸住宅を選ぶにあたって、ポイントとなるのは、貸主が入居を拒まないだけではありません。

高齢者向け住宅を探している人が抱える問題として、自分に合った物件が見つからないといったケースも少なくないのです。

当事者である高齢者にとっては、地域や住環境などにこだわりがあり、安心して暮らせる場所を選びたいと思うものです。

また、病院や公共交通機関、スーパーの近くであるといった立地の良さと段差などがないバリアフリーな建物で、できる限り坂道が少ないといった条件を加味すると、お部屋探しは非常に難しくなります。

同時に、必要な医療・介護サービスへのアクセスなどが求められます。高価な家賃や古い設備は、高齢者の住宅選びを一層困難にしています。

高齢者向け賃貸住宅(高齢者専用賃貸)やサービス付き高齢者向け住宅が解決策となるかもしれない。

高齢者向けの住み替えについての問題を解決しようと、国や自治体、URなどによってさまざまな選択肢が提案されています。

中でも、URの高齢者向け賃貸住宅やサービス付き高齢者向け住宅は、住み替えの有力な選択肢となり得ます。

それぞれのサービスを表にすると以下のようになります。

項目サービス付き高齢者向け住宅高齢者向け賃貸
契約形態賃貸借契約
入居条件60歳以上
自立~要介護2
60歳以上
自立〜要支援2
費用敷金:家賃の2~5ヵ月分
月額費用:10~40万円
敷金:家賃の2〜3ヵ月分
月額費用:10~50万円
管理費は2万円〜
居室面積個室(原則25㎡以上、条件を満たせば18㎡以上でも可)一般的な賃貸と同じ
主なサービスバリアフリー設備、安否確認、生活相談、生活支援、食事、そのほか(掃除や買い物代行など)バリアフリー設備、安否確認、緊急対応、生活相談(提携病院の紹介、介護サービス利用に関する相談など)
介護サービス必要になった場合は外部の事業者を利用する(実費)必要になった場合は外部の事業者を利用する(実費)
介護保険適用併設する介護事業所を指定し、入居者に介護サービスを提供するなど。サービス提供事業所との契約でサービスを利用。
共用スペースあり(食堂、リビング、洗濯室など)施設によって有無が異なる

高齢者向け賃貸住宅とは

高齢者向け賃貸住宅は、主に60歳以上のシニア世代を対象に、生活スタイルや健康状態に合わせた設計と暮らしをサポートするさまざまなサービスの提供が特徴の住宅のことを言います。

バリアフリー設計、24時間の緊急対応、共用スペースの設けられたコミュニティ施設などがあります。これにより、高齢者が安心して自立生活を送ることを支えます。

場合によっては、家賃負担を軽減するために国や自治体が家賃の一部を補助します。

サービス付き高齢者向け住宅とは

高齢者の居住の安定を確保することを目的として、バリアフリー構造等で作られた、介護・医療と連携し高齢者を支援するサービスを提供するのが「サービス付き高齢者向け住宅」です。

住民が必要とする介護サービスや生活支援サービスが提供され、施設によっては、24時間体制のスタッフが常駐する施設や、共用スペースでのコミュニティ活動など提供している施設もあります。

一例:URの高齢者向け賃貸住宅

URでは、団地の一階部分の部屋を中心に、床の段差をほとんど無くし、要所に手すりを設置するなどバリアフリー構造として、一定以下の所得の方には、家賃負担の軽減措置がある賃貸住宅である「高齢者向け優良賃貸住宅」を提供しています。

そのほか、浴室の段差を緩和して、連絡通報装置を設置した「高齢者等向け特別設備改善住宅」や健康寿命サポート住宅、シルバー住宅、さらに自立志向の強く人生を積極的に暮らしていこうという方々が安心して住み続けられる住宅である「URシニア賃貸住宅(ボナージュ)」を提供しています。

選択肢と設備が多く充実しているため、一度検討してみると良いかもしれません。

くわしくは以下のページをご覧ください。

高齢者向け優良賃貸住宅|便利な制度|UR賃貸住宅

一例:横浜市の市民向け高齢者向け地域優良賃貸住宅

横浜市では高齢者に配慮したバリアフリー設計で作られた24時間の緊急通報システムを設置した高齢者向け地域優良賃貸住宅を提供しています。

家賃負担を軽減するため一定の収入までは家賃の一部を補助していただけます。(世帯月収額が387,000〜487,000円以下)

くわしくは以下のページをご覧ください。

高齢者向け地域優良賃貸住宅(市民向け) 横浜市

そのほか全国でも。

高齢者世帯の安心した賃貸住宅への入居については、国土交通省が重点的に実施してきたほか、各都道府県も取り組んでいます。

網羅してはいませんが、ざっと調べると以下のように多数の制度が実施されていることがわかりました。

お住まいの都道府県や市区町村で実施されていないか、一度調べてみると良いかもしれません。

以下の表は順不同です。

自治体制度
北海道帯広市帯広市地域優良賃貸住宅補助事業
東京都墨田区高齢者等家賃等債務保証制度
東京都品川区高齢者住宅あっ旋
東京都中野区中野区あんしんすまいパック
東京都台東区高齢者等家賃等債務保証制度
東京都世田谷区お部屋探しサポート
東京都杉並区高齢者等入居支援事業
東京都新宿区家賃等債務保証料助成
東京都練馬区練馬区住まい確保支援事業(情報提供事業)
東京都豊島区高齢者等の入居支援事業
東京都足立区高齢者の民間賃貸住宅入居支援制度
東京都港区高齢者民間賃貸住宅入居支援事業
東京都江戸川区高齢者向け民間賃貸住宅の入居者募集
東京都荒川区民間賃貸住宅入居支援事業
東京都大田区家賃等債務保証会社等の紹介・保証会社加入費助成
東京都江東区お部屋探しサポート
東京都渋谷区高齢者等世帯入居支援事業
東京都あきる野市高齢者等民間賃貸住宅入居支援事業
神奈川県横浜市家賃補助付きセーフティネット住宅
神奈川県かながわあんしん賃貸支援事業
京都府京都市京都市すこやか住宅ネット
兵庫県神戸市神戸すまいのあんしん入居制度
福岡県福岡市住まいサポートふくおか

戸建てを持っていたりする場合には、資産を活用して住み替えも。

一戸建ての住宅には所持しているだけで、それ相応のコストが発生します。

ある程度まとまった資産的価値を持つ一戸建てを建て替えたり、住み替えたりする場合の典型例として、戸建てを解体して賃貸住宅に建て替えて経営しながら、自分たちは高齢者向けの賃貸住宅に住み替えるというケースです。

このようなケースでは、賃貸住宅に建て替えて経営することによって子や孫に資産を継承できる可能性があります。
建築資金で銀行などから借入を行うことによって、相続を行うときに対象財産額が小さくなり、相続税を節税できると言われてきました。

住み替えには色々な方法で次世代に繋げられる資産を残すことができる場合もあります。

ご家族と相談の上で、積極的に検討してみるのも良いかもしれません。

まとめ

UR都市機構のUR賃貸住宅の高齢者向けの賃貸や、国土交通省の「セーフティネット住宅情報提供システム」がありますが、まだまだ供給は十分ではないようです。

将来的には、多様性を受け入れる社会になっていく中で、高齢者のニーズに合った賃貸住宅の供給や、貸主の意識改革が進むことが期待されています。

とくにサービス付き高齢者向け住宅は、令和7年3月31日まで固定資産税と不動産取得税などの税制が優遇されており、施設が増加していくかもしれません。

高齢者が安心して生活できる空間が今以上に増えるのは喜ばしいことでしょう。

現在、住み替えを検討されている場合には、今回ご紹介した情報をご覧いただきぜひ良い住み替え場所に出会っていただけたらと思います。

この記事がお困りの皆さんへの一助となれば幸いです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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