終活・生前整理 掲載

終活の新常識:「選ぶ」ことで始まる心地よい片付けのアプローチ

意識はしているもののうまくいかない生前整理。今回は必要なモノだけをしっかりと選ぶというアプローチでいざという時に備える、日常生活の延長線上で考えたお片付けの方法をご紹介いたします。
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突然ですが、皆さんの自宅にはお子様の教科書や本を含めて何冊保管されているか、把握していらっしゃいますでしょうか。

あるいは、いつか使えそうだからと保管している紙袋が、どこに保管されていて、だいたい何枚あるか把握していらっしゃいますでしょうか。

ほとんどの方が把握されていないのではないでしょうか。私も自信がありません。

では冒頭から、なぜこのような質問をさせていただいたかというと、自宅にあるおおよその物品を把握されている方とそうでない方では、いざという時の備え方が大きく違っている場面を幾度も目の当たりにしてきたからです。

ちょっとしたこと、当たり前のことを、おおよそ把握しているというのは、いざという時にとても有利に働きます。

今回は、頑張らない終活と題して、日常の中からいざという時に備えるための方法についてご紹介いたします。

頑張ると終わらない終活・生前整理

終活や生前整理がブームになりつつある昨今では「やるぞ!」と一念発起して取り組んでみるものの、計画倒れに終わってしまう方が少なくありません。

その一方で、遺品整理を中心に20年以上活動してきた私たちにとって、ご家族が残された物品を前に右往左往されている場面を見かけることは日常茶飯事です。

煩雑な相続手続きを経てもなお、揉め事となっていまっているようなケースもあり、深刻なケースでは不動産が兄弟同士の共有名義となっていたがためにスムーズに実家を売却できず、「生前に手を打っておけば」と頭を抱えていらっしゃるケースも目にします。

深刻なケースにうちは該当しないとたかを括っていると、大きなトラブルになることもあるかもしれません。

「なんとなく」「大体」把握しておくのがもっとも大切。

車を運転されている方は、休日のドライブに出かけた観光地の山奥でガソリンスタンドが見つからず焦った経験はありませんか。

こうしたとき、なんとなく車の燃費とガソリンタンクの容量を把握しておけば「この車の燃費はリッター13キロで、少なく見積もってあと10リットルは入っているはず。10リットル×13キロで、130キロメートルは走れるはずだ」と落ち着いて考えられるはずです。そもそも山奥に行く前の段階で、ガソリンを満タンにしておけば良いのですが。

このように、ある程度の物量や内容を把握しておくことは、いざという時に割と正確な「見積もり」を弾き出すことができるはずです。

この「見積もり」ができるかどうかは、いざという時に備えて自分が何をしなくてはならないかを見極めるのに役立ちます。

もうひとつ例示するなら、今ご自宅のお部屋を見回したとき、大きな地震でもっとも危険な場所を見つけられるかどうか、というようなリスクマネジメントのお話です。あるお宅では、タンスに転倒防止のための棒をつけるのがもっとも効果的でしょうし、またある家では、窓ガラスにシートを貼って運動靴をベッドの近くに置いておくのが一番の対策になるかもしれません。

今ご自身が生活している環境や状況下で、もっともやっておかなくてはならないことを事前に準備しておくことが、終活や生前整理の本質と言えるのです

生前整理や終活は「捨てる作業」ではなく「次の世代へ繋ぐ」作業

終活や生前整理の本質は「事前に準備しておくこと」とお伝えしました。

こうしたお話を生前整理をご相談いただいたお客様にお話すると「うちの母はモノをためるだけためて、捨ててくれません。どうしたら良いと思いますか」とおっしゃる方がとても多いです。

どうやら生前整理や終活そのものがモノを捨てることであると誤解しているために、難しく考えていらっしゃる方が少なくないようです。

しかし、本質を捉えた生前整理のお片付けは、真逆のアプローチを行います。

「捨てる」ことにフォーカスせず、「必要なものを選ぶ」ことにフォーカスします。言葉遊びのようですが、この方法が敵面です。

たとえば、押し入れに保管されているものや、クローゼットに保管されているものを丁寧に、お母様と一緒にお部屋の中に並べてみます。広げたモノの中から、今後必要なものを選んでいただきます。

保管されているものには、すべて保管されている理由が存在します。孫が来たときに、料理を残しておくため、サランラップをお盆と正月にまとめて購入して20本以上ストックされているお母様や、40年近く前に自宅で同僚と雀卓を囲んでいた際に使っていた麻雀牌を大切に保管していらしたお父さんなどなど。ものには必ず思い出が残されています。

この思い出を引き出し、過去を棚卸しをして、家族や私たちスタッフがしっかりと向き合って耳を傾けることで、そのモノが存在する理由を肯定できます。こうすると、時間はかかりますが、しだいに協力的にお片付けを進めることができるようになっていきます。合理的、機械的に選別して行くよりもモノの処遇を決める上では極めて効果的なのです。

自分の思い出の詰まったものを捨てるのが嫌なのではなく、その思い出にスポットライトを当てずに処分するのが耐えられない、ましてや、ゴミの処分場で粉々になってしまうなんて残酷すぎるといったイメージをお持ちの親世代の方はとても多いのです。

残酷な処分というイメージを覆すため、子供である自分が使ってみたい!と持ち帰ったり、メルカリやヤフオクに出品してみて消費者間でやり取りをしてみたりするなど、次の世代につなげて行く姿勢を見せることが何よりも重要なポイントです。

業者特有のモノを処分させるためのカバーストーリーのように思われるかもしれませんが、実際にモノを捨てることなく、次世代へ繋ぐ仕組みを私たちは構築しております。くわしくは、ご遺品の買取やリサイクルで遺品整理の費用を抑える方法をご覧ください。

なお、これまでご紹介したのはモノに焦点を当ててものが存在していることを肯定する手順でした。しかし、これだけでは片付けたことにはなりません。次に、手元に残しておくモノを選ぶ必要があり、これを考えるのがもっともハードルの高い作業と言えます。

手元に残しておくものの選び方とは

ご自宅に残されているモノが存在する理由を思い起こして肯定するやり方でモノの処遇を決めるアプローチと並行して行わなくてはいけないのが、今後使うため、手元に残しておくモノを選ぶことです。

手元に残しておくモノを選ぶ手順、順序は簡単ですが内容はとてもシビアです。少し覚悟が必要な部分もあるので、じっくりと時間をかけて進めると良いでしょう。

まず、もっとも大切な最初の手順として、他のご家族と同居する予定なのか、老人ホームへ入居するのかを一緒に考えます。ひとりで生活するのが困難になった場合のことを家族みんなで一緒に考えてみましょう。

親との終活・相続の話題、どう切り出す?10の具体的なアプローチ

大まかに想定が固まって、家族全員でこの前提を共有して、はじめて持ち物を選ぶ手順に入ります。

次に、部屋ごとにどれくらいのものがあるのか、ざっと見回してみましょう。多くのものが存在しているとわかるはずです。

リストアップすると疲れてしまうと思いますが、おおよそ何点くらいの物品があるのかを把握しておきましょう。

次に、一部屋ずつモノを見ていきます。小さなものや収納されているものは、床に並べてみましょう。

部屋ごとに、同じ種類、あるいは、本、雑誌、収納小物、新聞紙などのようなカテゴリーで分けていきます。

この時、大抵の場合、不可解なほど貯められた新聞紙や、メモ帳などの「ストック」が発見されるはずです。すかさず、直近1か月の間に使用したかどうかを尋ねてみましょう。多くの場合「使っていない」と返事がくるはずです。繰り返し購入しているようなサランラップや保冷バッグ、ジップロックなどの保存容器などが発見された場合には、新しいものを数点残して古いものを手放すように働きかけてみましょう。

ここで、重要なのは捨てるか捨てないかではなく、当事者である親と一緒に並べた物品を眺めてみて、必要か不要かそれとも保留にしておくかを判断することです。そして「こんなに必要ないかもしれないね」「こんなに同じモノを買っていなんだね」というように小さなものもカテゴリー分けして床に並べてみんなで眺めてみることで、自ら気づいてもらえる機会を作り出すことです。

以上のプロセスを経て、必要な品や保留とした支那を除いた残りを手放すように働きかけてみると、すんなりと手放す判断を行なってくださるケースが多いように感じます。

モノの分け方は、次のページも参考にしてください。

物を捨てる基準を3つに変えると整理はとても簡単になる。

ここまでの作業をまとめると、老人ホームか同居かなど、今後どのような生活が控えているのかを把握した上で、各部屋ごとに似た種類で大まかに分けて床に物品を並べます。ざっと並べた物品たちを家族全員で眺めてみて、明らかに日常生活で必要な量よりも多いモノから順に、必要かどうかをみんなで考えていきます。

そして、本当に必要なモノや今は判断できないから残しておきたい保留品のどちらにも該当しなかったものを、手放すように働きかけていきます。このプロセスをいくらか繰り返していくと、驚くほど部屋が片付き、見違えるようになってきます。

部屋が片付くと気持ち良い

ここまでご紹介した方法をゆっくりと無理せず回数を重ねて行くことで、部屋が徐々に片付いていきます。

すると生活空間が広がり、動線も見直せます。

しだいに生活が楽になったことを実感して、徹底して拒否していた方も徐々に協力的になってくださいます。

動線を見直して生活空間を改善するのはやっぱり気持ちの良いことなのです。

https://www.bestworkers.jp/cleaning/10min-clean/

それでもやっぱり、時間もないし、めんどくさい。

ここまで、大掃除といった日常生活の延長線上で、お片付けから生前整理に取り組むアプローチをご紹介いたしました。

しかし、いざという時のために準備しておく必要性は十分にわかっていても、やっぱり取り組む前にめんどくさくなってしまったり、時間がなくなってしまう方もいらっしゃることでしょう。

忙しいので家事さえままならなかったり、ご高齢で部屋の整頓が難しい方もいらっしゃるはず。そもそも、一人ではできないことが多いのも、お片付けの難しいところです。

こうした声を受けて、私たちはお片付けの現場で整理を中心にしたお片付けを実施しています。

生前整理の現場で私たちがご要望にお応えしている内容

私たちに生前整理の作業をご依頼いただいた場合、今回ご紹介したように、整理整頓を基本としたお片付けを、当事者である親世代の居住者あるいは、ご家族と一緒になって整理整頓などの作業も行なっております。

さらに、清潔な住環境を保つための清掃も行なっています。場合によっては、ハウスクリーニングを行うこともございます。特殊な薬剤を用いたハウスクリーニングを実施する場合、事前に作業日を打ち合わせてお子様のご自宅でお待ちいただくなどのお時間をいただく場合もございます。さらに網戸の張り替え、動きにくくなったサッシの調節、下駄箱の修繕や洗濯、生活家事の一般を解決するような作業にもお応えしております。

時間がなくて、誰に頼めばいいのかわからないとお悩みの方は、ご相談いただいたからといって当社にご依頼いただく必要はございませんので、選択肢のひとつとして一度あなたのお悩みをご相談ください。

最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。