ご遺品を売るのはタブーという誤解
株式会社エコリングが、2018年7月27日~7月28日にインターネットを用いて、全国40~50代の男女1,129人に行なったアンケート『遺品整理』に関する意識調査で自身に万が一のことがあった場合、捨てずに売却して少しでもお金に替えて使ってほしい
と答えた人が全体の8割弱となりました。
万が一のことがあった時は、不用品を売却し、換金してほしいと考える人が大多数
「何かあってから終活を開始するのでは遅い!?身辺の整理をするなら『元気なうちに』と考える40~50代は8割近く!生前整理で残りの人生も存分に楽しもう」PR TIMES(2018年8月24日)
故人の死後、ご遺品にまつわる日本固有の風習として有名なのが「形見分け」です。
形見分けは、四十九日の忌明けに、親族、縁者が集まって、故人の生前大切な品を引き継ぐこと。
古来、形見分けの中心となったのは「着物」で、理由は丈直しや染め直しすることで誰でも身に付けることができるから。
今より豊かではなかった昔、故人が大切にしていた財産を縁者に引き継ぐことによって、少しでも生活苦への足しになればという配慮が見て取れます。
対して、現代は物が飽和している時代。着物などの物を受け継ぐという意思はとても大事ですが、故人の考えを理解した上で、故人の大切な物品は、自分以上に価値がわかる人、そして故人の趣味に合っている人に受け渡せた方が良いと考えている方が実は多いのです。
ただ一つ重要なのは、商品価値という知識
では、遺品を売るために重要なポイントとは何でしょうか。
それは、1にも2にも商品に対する正しい知識です。
言わずもがなですが、ご遺品の中の物品で、本当に売れる商品であるかどうかを見極めるのはとても難しいことなのです。
本当に売れるものなのかどうか、例えば型番が書かれているような家電は、ヤフオクやメルカリといったフリマアプリでおおよその販売額を知ることができますし、比較対象として検討することもできるでしょう。
しかし、骨董品や絵画、着物ともなれば話は別です。ヤフオクやメルカリに出品されている内容を見ても、実際の真贋を見極めるのは至難の技なのです。
例えば、レコードや国産ギターは高値で売れる
故人の遺品に紛れて、古くなってボロボロのレコードやギターを拝見することがあります。
これらを査定に出した場合に、びっくりするような金額でやりとりされるケースもあります。
例えば、国産のギターで知る人ぞ知る「TOKAI」製のエレキギター。
入札が多数入っている商品や、高額でやりとりされていることがわかります。他にも「モーリス」「ヤイリ」「鈴木バイオリン」が製作したギターも高値で取引されることもあります。
いくらボロボロで塗装が傷んでいたとしても、実は驚くほどの高値がつくケースがあることも多いのです。
重要なのは「物の価値」を正しく知ることに尽きます。
遺品を売る最適解は、フリマアプリなのか?
では、ヤフオクやメルカリで遺品を売るのが正しい手法なのかと言われると、実はそうではありません。
ヤフオクやメルカリで商品を売るにあたっては、登録や出品作業が必要になるからです。
この作業量は、バカになりません。特に、アカウント登録を行なっての出品作業ともなると、慣れない方だとほぼ一日仕事になってしまうのではないでしょうか。
多数の同じような物品が出品されるオークションでは、写真撮影や文章、商品に対する説明文の入力等で売れ行きに大きな差が出ます。
さらに、全ての商品を売り抜くには、それなりの期間を必要とします。商品はすぐに売れる訳ではないのです。
すると、遺品整理であなたが売りたい物品を保管しておくスペースや、出品期間が経過し売れなかった後、再び出品する労力なども余計にかかってくるのです。
自分で遺品を売るというのは、とても良い判断だと思います。しかし、そこに時間的コストがかかることを忘れてはいけません。安易に自分で処置しようとするのは避けた方が賢明です。
費用対効果で考える
察しの良い方なら、ここまでご覧になってお気づきかと思いますが、遺品整理作業での遺品の買取は、費用対効果で判断すべきなのです。例えば、ご両親との生活で、あなた自身にも価値のわかる物品(例えば、ギターとかブランドバックなどのように、あなたが好きなもの)は、フリマアプリで販売しも良いでしょうし、その方がご両親も喜ばれるかもしれません。
しかし、全ての物品を選別しながら、売れるかどうかを確かめる目があるから、遺品整理業者は仕事をいただいるという側面もあるのです。
私たち横浜ベスト遺品整理社は、価値あるもの、残念ながら価値のないものを選別し、お客様に率直に嘘偽りなくお伝えすることで、お客様に判断していただくことを常に意識しています。
ご遺品を売るあたり、自分が価値を知らない物につては、プロにお願いするということが何より大切だというお話でした。
売るか売らないかの判断は全てお客様の意思です。遺品整理の中で、売るか、処分するのか、といったお客様が判断をするために十分な情報をお伝えするのが、私たち遺品整理社の仕事の一つなのです。