遺品整理を行なっていると、様々なケースに遭遇します。
今回は、ほとんどの方が知らない遺品整理と保険の関係についてです。
ご本人やご家族のみならず、賃貸不動産のオーナー様は必見です。
遺品整理には保険が適用されます。
遺品整理で保険が適用されることをご存知の方はとても少ないです。
これは、ご本人が加入していた保険に「遺品整理」などと明記されていないので、当然といえば当然です。
例えば、孤独死などを迎えられた方が、賃貸物件で亡くなり、生前、火災保険に加入していた場合に、遺品整理および修理・修繕費用に保険金が支払われることがあるのです。
遺品整理に保険金が支払われる保険の種類とは
遺品整理や、物件の修理費用などに保険が適用されるには、次のような保険の種類が考えられます。
ご注意とお願い:これらの保険については、当社の知見によりご紹介しているものです。
場合によっては、適用されない場合もございますので、ご契約の保険会社によくお問い合わせの上、ご自身のケースが該当するか否かご判断ください。
- 火災保険(汚損や破損などの特約が必要なケースが多い)
- 少額短期保険(当社で一番多いケース)
- 生命保険(後述)
当社の経験したケースですと、以下の書類が必要なケースが多いです。
- 遺品整理業者の見積もり
- 作業箇所の写真(お部屋の写真)
- 死亡診断書のコピー
この3点と、相続人からの保険会社への連絡が必要となります。
以上の保険の種類を踏まえて、種類別に遺品整理に保険が適用される場合について見ていきましょう。
火災保険で遺品整理に保険金が支払われるケース
一人暮らしのご高齢の方が、賃貸物件にて孤独死なさった場合を考えてみます。
発見まで相当の時間が経過したため、特殊清掃と修理費用が発生します(大家さんから請求されるかと思います:現状復帰作業)
また、生前の家財などが全て部屋に残されている場合には、特殊清掃や修理に加えて遺品整理も必要になります。
このような場合、通常は相続人や賃貸契約の連帯保証人になった方に対して支払いの義務が生じるのが一般的です。
ここで、故人様が加入していた火災保険(汚損などの特約が必要なケースが多いです)の保証内容によって、保険金が下りる可能性があります。
少額短期保険で遺品整理に対して保険金が支払われるケース
少額短期保険(通称「ミニ保険」と行ったりします)は、
のことです。掛け金が安く、保険の期間も短いのが特徴のようです。
保険業のうち、一定の事業規模の範囲内において、保険金額が少額、保険期間1年(第二分野については2年)以内の保険で保障性商品の引受のみを行う事業
例えば、賃貸に入居する際に契約を行う保険も該当するケースがあります。
「お部屋の保険 ワイド」の例
東京海上ミレア少額短期保険株式会社の「お部屋の保険 ワイド」には、遺品整理への適用が明記されています。
これは、通常の賃貸入居者総合保険に、「費用等保証拡大特約」いわゆる「特約」をつけた保険のようです。
入居者の死亡に伴う遺品整理費用
お部屋の保険 ワイド | 東京海上ミレア少額短期保険株式会社のご契約のしおり(p.2)より引用
不足かつ突発的な事故による借用戸室設備等の修理費用
お部屋の保険 ワイド | 東京海上ミレア少額短期保険株式会社のご契約のしおり(p.2)より引用
遺品整理の費用をほぼ全て捻出できるくらいの保険金が下りることもあります。(30~50万以上)
お部屋を借りる際の保険に特約をつけることによって、遺品整理に対応した商品としている保険会社は、他にも存在しているようです。
終活に向けてや、遺品整理を控えて費用にお困りの方は、一度、こうした保険に加入していないかどうか確認してください。
不動産オーナーからみる少額短期保険の有効性
この少額短期保険を、賃貸物件管理者が、リスクマネジメントに活用する動きがあります。
入居者や入居者の保証人に部屋の明け渡しや修繕費用の支払い能力がない、あるいは保証人が不在のケースで専用の少額短期保険を契約するケースもあるとの事です。
近年増加の一途をたどる孤独死などが管理する物件で起きた場合には、遺品整理、特殊清掃やリフォームの手配に加えて、次の入居者が現れないリスクがあります。(次の入居者は、家賃を安くするケースが多いようですから、ここもリスクになります)
これらのリスクを、オーナーが少額短期保険で賄うというものです。
保険費用は、家賃から算出するケースが一般的なようですが、1部屋あたり月額数百円の掛け金であることが多く、原状回復に対しての保険金が50~100万円程度支払われる保険が一般的とのことです。他に、家賃の損害金を補填できる場合もあるようですので、気になるオーナー様は一度お調べいただくと良いかもしれません。(高齢者が多く住んでいらっしゃるワンルームの賃貸経営の方は、導入をお勧めいたします)
生命保険で遺品整理に対して保険金が支払われるケース
最後は、終活で注目されている生命保険を遺品整理に充てるケースです。
生前から自分の遺品整理の計画される方も多くなっているように感じます。
このケースは、ご契約者本人が死亡された場合に、保険金を遺品整理に当てることを目的に契約します。
最近では、主要な生命保険会社でも、一口10万円〜100万円で、糖尿病の方でも加入できる生命保険や、満89歳の方まで加入することのできる保険が販売されています。
遺品整理に保険金が支払われる場合
ここまで、遺品整理に保険が支払われるケースについて3つの方法を見てきました。
いずれの場合にも、遺品整理は相続した物件に対して必要となります。
遺品整理で保険の支払いが可能なケースについては、当社にも一定の知見がございますので、お気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。