実家の遺品を整理する際に、遺品整理の業者を呼んで見積もりを取るという流れが一般的です。業者に見積もりを行う場合には、相見積もりをとっていただくのが安心です。
相見積もりを3社程度取っていただいたのちに、値段やスタッフの人柄などで判断される場合が多いかと思います。
ここで、注意しておきたいのが、相続などの諸手続きに関して必要な書類や、重要な物品の所在です。
遺品のアルバム・着物・宝飾品などについては、お客様がお気づきになる場合が多い
遺品整理のお見積もりをご依頼いただくとき、お客様の中で多いのが、故人様の寝室などから、思い出の詰まったアルバムや、宝飾品、着物を事前に整理されているケースです。
実家のゴミの収集日を事前に把握して、少しでも整理をされようとする方も多いのですが、例えば、百貨店の紙袋の中から目にしたことのない洋服や着物、宝飾品が出てくることがあります。
故人様が退職金や大枚を叩いて購入された高価な物品、こうしたものは遺品整理士だけでは判断できないことがあります。
判断が難しい物品は、確かな目を持つ骨董品鑑定士に見ていただく必要があります。不当に低い金額で査定されないための仕組みを持つ遺品整理業社は多くはありません。
実家の片付けをめぐっては、骨肉の争いに発展してしまうケースがとても多いのが実情です。これは親世代と子供世代の認識の違いや、価値あるものを相続しようとトラブルに発展する場合があるためです。(貨幣・切手のコレクションや絵画・書といった芸術品など)
必ず確認すべきこと1:実家の遺品を整理するときは、他の親族に任せきりにしない
実家の片付け、遺品整理については、兄弟姉妹など親族が必ず予定を合わせて、整理を開始する前に、実家で物品を家族全員で確認することが、最も重要なポイントです。
四十九日法要の際は、多くの親族が一堂に会する機会が多いため、この時に実家を一旦皆で故人様を偲びながらご覧になると良いでしょう。
なぜなら、賃貸物件の場合に、遺品整理は早め早めに行動したいところですし、持ち家の場合には、落ち着いてから作業を開始することも可能ですが、事前に下見をすることで、無用なリスクを排除することができる利点があるのです。
必ず確認すべきこと2:貴重品はあなたの想像以外にも沢山あるのです
ご遺品のなかの貴重品は、ご遺族の想像以上に存在するケースが多くございます。
身分証明になるもの
これらは、年金の受給停止手続きや、介護保険資格喪失届などや、遺言書(その検認)などに関わり、重要となるだけでなく、返納や諸手続きが必要なケースが多いため必ず確認しておきましょう。
- 運転免許証
- 旅券(パスポート)
- 個人番号カード(住基カード)
- 在留カード
- 健康保険証
- 国民健康保険被保険者証
- 健康保険被保険者証
- 船員保険被保険者証
- 後期高齢者医療被保険者証
- 介護保険被保険者証
- 国民年金手帳
- 国家公務員共済組合・地方公務員共済組合の組合証
- 児童扶養手当証書・特別児童扶養手当証書
- 母子健康手帳
個人情報関連
これらの個人情報でも特に重要なのは、クレジットカードの請求明細や、公共料金の領収書などです。故人様が以前にお使いだった金額がまだ引き落としされていなかったり、料金の徴収が未納となっている場合には、当然支払う必要が出てきます。
- 確定申告書(控え)
- 実家の権利書類
- 保険証券・有価証券
- 故人様の電話帳
- 年賀状などの郵便物
- 自動車・金庫などの鍵
- クレジットカードの請求明細
- 公共料金の領収書(請求書・検診票)
- 病院にて発行された処方箋
- 携帯電話
- パソコン
その他の重要な物品
以下のものは、現金・預金通帳なども、ご承知の通り、相続関連などでとても重要なものです。「うちの実家には、金品は全然ないはず」そうおっしゃるお客様のご自宅から故人様のへそくりであろう旧紙幣が封筒に驚くほどの金額が入っていたというケースもございました。こうしたこともトラブルの原因になり得ます。
- 財布
- 現金
- 預金通帳
- 実印
- 契約書関連のもの(締結しているもの)
必ず確認すべきこと3:この場所は必ずチェックする
以下のような場所は必ずチェックを行ってください。
消費生活センターに寄せられる遺品整理トラブルは年間100件を超えています。
残念ながら、あるはずの物品がなくなっているというトラブルを聞くことも多くございます。
- 神棚
- 仏壇
- タンスや押入れ(見つけにくいところにある場合もあります)
- 敷布団の下(あるいはその敷布団直下の畳の下)
- ベッドやマットレスの下
- あまり着用されていない(そう思われる)コート・ジャケットのポケット
- 金庫の下(あるいは裏)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
存在すべき貴重品が見つからないなどというトラブルに発展しないためにも、ぜひ遺品整理に着手する前に、確認しておきましょう。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。