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家族に介護の可能性が出たら、まず取り組むべき4つのこと

ご高齢でのケガや病気で、突然、介護を始めなくてはならない事があります。

いざという時、慌てず冷静に判断するためには、日頃からの備えが重要です。

もしも介護が必要になったら、どんな選択肢があって、何が自分にとっての最適解になるのか、不安を感じる方は少なくないはず。

今回は、自分の両親やパートナー、兄弟姉妹に介護が必要な可能性のある時、事前に考えておきたい内容をまとめてお伝えします。

終活や生前整理といった内容と合わせて日頃から取り組んでおくことが大切です。

1.介護開始までの全体像を知ろう

介護を開始するまでには、いくつかのステップが存在します。

まずは介護保険の適用を受けて、サービスを受けられるようになるまでの全体像をざっと把握しておきましょう。

まず医師からくわしい説明を受けて状況を把握し、予後の計画や見通しについての話を聞いた後、介護の度合いによって介護保険に関する要支援や要介護認定を申請します。

本人や家族が市区町村や地域包括支援センターへ相談し、認定のための調査を受け、主治医意見書を元にして要介護認定が行われます。

認定を受けたらケアマネージャーと契約を結び、介護計画(ケアプラン)に基づいて、サービスを受けていく流れになるのが一般的です。

なお、介護サービスを提供する会社や公的なサービスを検討することになりますが、いずれの場合も介護保険適用がある場合には、介護費用の一部(最大9割)は保険適用となり実質の負担は軽減されます。

ちなみに、介護保険制度は2000年の介護保険法施行によって高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして導入された制度です。高齢者の自立支援、利用者が多様なサービスを総合的に受けられるように配慮されています。健康保険とは異なり、本人や家族が申請を行わないと利用できません。

参考:介護保険のあらまし 横浜市

介護保険適用前にサービスを受けることもできますが、認定結果によっては自己負担の金額が増えるケースもあることから注意が必要です。

2.まずは介護の相談ができる場所を知ろう

医師などから介護の必要がある告知を受けたら、まず説明をしっかりと聞き、相談しましょう。

この時、親族の同伴があれば、より安心して冷静に話を聞けるかもしれません。

説明の中心は、今後の介護の取り組み方が柱になることが多いかもしれません。

介護の度合いによって、必要なケアは異なります。

かかりつけの病院に医療相談室が設置してあれば、必ず相談しておきましょう。

病院以外にも介護について相談できる窓口は意外と多かったりします。

具体的には以下の通りです。

たとえば、地域包括支援センターでは、高齢者が住み慣れた地域で生活を続けられるよう、自宅を中心に介護支援専門員(ケアマネジャー)や社会福祉士、保健師への相談が行えます。

ケースによっては、センターの職員への自宅訪問をお願いできます。

3.要介護認定(要支援認定)を受けて介護保険を利用する準備をしよう

どの程度の介護レベルなのかを専門家に要支援1〜2、要介護1〜5の7段階で判定してもらうのが要介護認定(要支援認定)です。

要介護認定は、本人や家族が市区町村の窓口へ申請を行います。

地域包括支援センター(地域ケアプラザ等)、居宅介護支援事業者のケアマネージャーさんに代行してもらうこともできます。

必要な書類は以下の通りです。

  • 要介護・要支援認定申請書(窓口にあります)
  • 介護保険証(65歳になった時点で交付されます)
  • 印鑑(ご本人が申請書を書かれる場合は不要です)
  • かかりつけの医療機関名、医師名などがわかるもの
  • 40歳から64歳で医療保険に加入している「第2号被保険者」の方は、加入している医療保険の保険証

横浜市「介護保険のあらまし

その後、認定調査員が自宅を訪問してヒアリングと調査を行います。

次に、市区町村から主治医の意見書を元にして判定され、申請から1か月程度で認定結果が通知されます。

認定結果に納得できなかった場合には、不服申し立ての制度が用意されています。

要介護認定を得られたら介護サービスを契約しよう

要介護認定を受けられた後は、ケアマネージャーへ相談しケアプランを作成してもらいます。

ケアマネージャーが介護サービスを提供する事業者に連絡を行って調整、監視していただけます。

ケアマネージャーと利用者であるご本人やご家族が良い関係性を築いていくことが何よりも重要なため、些細なことでも後回しにせずその場で解決し、ケアマネージャーとの相性に不安がある場合には積極的に地域包括支援センターなどへ相談を行いましょう。

4.視野を広げて考えてみよう

突然の介護問題の負担と不安により、とても視野が狭くなってしまうケースは少なくありません。

なかなか難しいとは思いますが、一息ついてぜひ、大きく視野をもって見ていただきたいと思います。

たとえば、持ち家を売却し、便利な地区の低層階賃貸マンションへ移住したり、老人ホームなどに入所したり、さまざまな福祉サービスを組み合わせて利用するなど、とても多くの可能性が存在します。

ケアマネージャーさんと話し合ってより良い介護の計画を立てていくためには、ご本人やご家族が視野を広げてさまざまな選択肢を考えてみることが何よりも重要です。

いきなりのことで焦っていたり、事業者の言いなりになったりすることなく、ご自身の状況を客観的にみるために相談窓口などをしっかりと利用するようにしましょう。

互いの認識の違いを知ろう

親子での介護問題の場合には、親世代は住み慣れた自分の自宅を希望する一方で、現役である子供世代は、平素から心配事の多い自宅での生活ではなく介護施設への入所を第一の選択肢として考える傾向が一般的のように感じます。

この部分の認識の違いによって、親子関係に大きな溝を作ってしまう可能性もあります。

また、パートナーや兄弟親族の介護問題の場合には、互いの日常生活のレベルに応じて、選択肢が少ないように感じがちです。

しかし民間事業者の運営する介護付き有料老人ホームや、自治体が運営する特別養護老人ホームといった場所での介護も選択肢になるかもしれません。

はじめての老人ホーム探しはとても大変で、どのように決めたら良いのかわからないケースも少なくないかもしれませんが、司法書士による老人ホームの無料相談なども行われているので利用すると良いでしょう。

老人ホームを探す:ご家族に最適な施設を無料で紹介するサービスがある

老人ホームを選ぶ場合には、何はともあれ「見学」してみる。

老人ホームを選ぶ場合には、まず少しあたりをつけたら見学してみることをオススメします。

近年の老人ホームは公共型であれ、民間型であれ大きく進歩しており、見学を行った後にご本人が満面の笑みで「ここに入所したい」とお答えになるケースも数多く目にしてきました。

百聞は一見に如かず。実際に雰囲気を感じてみることが何よりも解決への糸口となるはずです。

まとめ

今回は、親族に介護の可能性が出たらまず取り組むべき4つのことと題して介護の可能性が出てきた場合に知っておくべき内容をまとめました。

介護はご本人やご家族だけの問題ではなく、医師やケアマネージャーさんなど、さまざまな人の協力で成立するものです。

そのため、良好な関係性を築いていくために、聞かれたことだけに答えるような姿勢ではなく、普段から感じている不安や課題、ご家族から見た本人の様子などを共有して密度の濃い情報を伝えることも重要です。

ご本人の介護は、ご本人だけではなく周りの方々のサポートによってより良いものになり、また必ず最適解は見つかるものだと私たちは信じています。

私たちでもこうしたご相談に対してのご用意がございますので、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。

この記事が、同じ悩みをお持ちの方への一助となれば幸いです。

最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。

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