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遺品整理ってなに?遺品整理業者の仕事、遺品整理士のあれこれ

遺品整理の作業の様子
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遺品整理とは何のこと?

遺品整理とは、亡くなられた方が生前にご使用になっていたもの全てを片付けることです。

多くの場合、故人が住んでいた家は借家なら返還され、持ち家の場合はそのまま売却されるか、建物を取り壊して更地にして売却されます。
どちらのケースにしろ、家の中にあるものは全て撤去しなければなりません。

ただし、家の中には様々なものがあります。人が生活していたわけですから当然ですよね。
つまり、タオルや歯ブラシなどの生活雑貨や、洋服、家電製品、タンスなどの大型家具、さらには現金や保険証書などの貴重品、また装飾品や食料品などなど、個人が生前にお使いになっていたもの全てを整理して、撤去することになります。家の中を空っぽにするわけですね。

遺品整理はここまでやらなければなりません。

家の中にあるもの全てを、「残しておくもの」と「処分するもの」とに仕分けして整理する。これが遺品整理なんです。
「貴重品をご遺族で管理して、写真やご愛用品などの形見分けが終わったら遺品整理は終わり」ではありません。むしろここからが遺品整理なのです。

遺品整理には専門の業者が存在する

遺品整理には専門の業者が存在しています。なぜでしょう?
実はこれには社会背景があるのです。核家族化がピークを迎えたのは1970年代のこと。
さらに高齢化が進み、今では核家族どころか「単独世帯」が急激に増えています。

神奈川県横浜市では全世帯のうち33%を超える世帯が一人で暮らす「単独世帯」です。同じく川崎市では4割を超えています。
いつの間にかこんなに増えてしまったのですね。

昔は家族が亡くなると遺族や近くに住む親戚が総出で遺品を整理していました。
ところが離れて住んでいると中々思うようにはいきません。
とても数時間で終わる作業ではないからです。そこで世の中の必要に迫られるように現れたのが「遺品整理業」です。

これがわずか10数年前のこと。2000年代に入ってからのことです。
それまでは遺品整理に手が回らない場合は、葬儀屋さんなどが手を貸していたようです。
ところがその葬儀も今では簡素化が進み、家族だけで行う家族葬から、更には通夜、告別式を行わず直接火葬する「直葬」が増えています。
そうなると葬儀屋さんに頼むにも頼みづらくなってしまいますよね。
こうした社会背景から遺品整理を専門に行う業者が近年増えて来ているのです。

遺品整理士という資格、遺品整理士認定協会について

遺品整理士とは、遺品整理士認定協会において認定試験に合格したものに与えられる資格です。
単独世帯など孤立化が増えるということは、その方が亡くなった場合、ご遺族は故人の家まで通って遺品整理をしなければなりません。

分かってはいても中々時間はとれませんよね。

それで遺品整理を業者に委託するケースも多くなったのですが、今度は遺品を適切に扱わず不法投棄したり法外な料金を請求するなどの悪徳業者も現れ始めてしまったのです。

遺品整理士認定協会はそうした事例を無くすために資格試験を導入し、遺品整理士の資格を持って優良業者を認定しています。
社会背景や関連する法令も含めて、遺品の取り扱い方などに精通したスペシャリストが遺品整理士なのです。

遺品整理は残された品々を単に処分するという仕事ではありません。
悲しみや喪失感の中でご遺族が何を望んでいるのか、その気持ちに寄り添うところから遺品整理は始まります。

何を残しておくか、どれをご供養するべきかと、ご遺族の方は迷うことがたくさんあるでしょう。
遺品整理は、ものの整理だけではなく、気持ちの整理も大切な事柄なのです。
引き出しの奥に挟まっていた1枚の白黒写真。
遠い記憶に思わず声を詰まらせるその姿は、自身と重なることも。

遺品整理士はご遺族に寄り添う気持ちを第一に考えます。故人に敬意を持って作業にあたり、自身の家族のもののように遺品を扱うことを心がけているのです。

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