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遺品整理はいつから始める? 最適な開始時期はいつなのか。

日々、お客様の課題を解決するためにヒアリングしていてわかった最適な遺品整理の開始時期について解説します。なお、遺品整理にオススメの時期や決まりはありません。葬儀後や相続税の発生前、四十九日や百箇日法要の節目など家族によって様々です。
遺品整理後の部屋の画像
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遺品整理はいつ、どの時期にはじめて、どうすれば良いのか。

遺品整理に取り組まれるお客様には、出費や手続きなど大きな不安があるはずで、私たちにご質問いただくことの多い内容でもあります。

結論として、遺品整理作業の開始時期は、次のようなケースに分かれるように感じています。

  • 賃貸物件など毎月固定費のかかる場合は、早めに着手した方が良いと考えられているお客様が多い。
  • 葬儀が終わってすぐに始める。
  • 初七日・四十九日・一周忌や百箇日法要の節目をきっかけとして始める。
  • お亡くなりになった年の暮れまでに作業を始める。
  • 死亡届やその後の手続きが一段落したタイミングで開始する。
  • 気持ちの整理がついてから、ゆっくりと始める。
  • 空き家となる可能性が出てきたら始める。

以上が、私たちが直接お客様と接してきた経験から大まかな傾向や目安として、お伝えできるものです。

お客様によってきっかけは様々なことがお分かりいただけるのではないでしょうか。

大事な前提として、賃貸などでなければ遺品整理作業にオススメの時期というのは存在しません。

まずは、遺品整理作業にオススメの時期というのが存在しない理由についてお伝えします。

遺品整理作業に「いつが開始のオススメ」という時期は存在しない。

突然ですが、投資の神様と讃えられるウォーレン・E・バフェット氏の有名な言葉の一つに「あなたが髪を切る必要があるかどうかを、決して床屋に尋ねるな(Never ask a barber if you need a haircut.)」という言葉があるそうです。

理由は、床屋は髪を切って生計を立てているのだから、床屋に聞いたところで「髪を切った方が良い」と言うに決まっている、明らかだということでしょう。

相談を持ちかける相手によって答えが変わってしまうという、いわゆるポジショントークと呼ばれるこうした事例。嘆かわしい限りですが、遺品整理を取り巻く業界にも溢れています。

確かに、遺品整理を業務として請け負う以上、多くのお客様にサービスを提供するために、報酬をいただいて事業を維持しなくてはなりません。

しかし、遺品整理を行うかどうかを決めるのは、紛う方なく、あなたです

業者都合の勧めや、インターネットに氾濫する情報に惑わされることのないよう、まず、この点を強調させてください。あなたやあなたのご家族以外の判断での遺品整理は後悔を生みかねません。

※遺品整理業者である私たちがこのように申し上げるのは矛盾していると感じる方もいらっしゃるかと思いますが、私たち横浜ベスト遺品整理社は「お片づけのお手伝い」として存在するという考えを持っています。詳しくは「代表挨拶」をご覧ください。

場合によって異なる遺品整理の時期

とはいえ、遺品整理には、急がなければならないケースが存在するのは事実です。

  • 家賃の滞納やゴミ屋敷などの場合
  • マンションやアパートなど賃貸住宅に住んでいた場合
  • 後に住む家族がなく、空き家になってしまう(また、管理できる人がいない)

以上が、早めに作業を始められた方が良い場合でしょう。

なお、相続手続き前に遺品整理を行う場合は注意が必要です。

相続前の遺品整理:遺品整理をしても相続したことにはならない。

相続放棄をするときは遺品整理で家財を処分しても大丈夫?

ゴミ屋敷や家賃滞納の場合には、急を要する

賃貸物件の場合、人が亡くなったからといって、すぐに退去させられるわけではありません。

しかし、家賃の滞納やゴミ屋敷などとなってしまっている場合には、大家さんや近隣の方にご迷惑となる可能性が極めて高くなります。

ゴミ屋敷や家賃の滞納、孤独死などは、早急な清掃・退去と原状復旧作業を求められるケースがあり、すぐにでも着手する必要があります。

ゴミ屋敷の片付け・清掃を業者に依頼した場合の費用や料金相場

賃貸住宅の遺品整理は、多少急がなければならない場合がある

生前、賃貸住宅にお住まいだった場合には、遺品整理が長引くと、新たな家賃が発生したり、契約更新日が間近に迫っているというケースもあることでしょう。

こうした状況では、新たな家賃負担の発生などの問題もあるため、退去期限までに、全てを部屋の外に運び出さなければならないことが多くなります。

家族だけで遺品整理を行おうとすると、貴重品や重要書類を探し出すにも日にちが迫っていて、ままならないこともあります。

時間や人手が足りない時には、業者を選択肢の一つになってくるかと思います。

過去の事例から、残しておきたい物や供養する物、形見分けの品、処分するものなどを予め把握している遺品整理士に相談すれば、期日までの作業を行える可能性が高まります。

なお、賃貸物件での遺品整理は、事前に大家さんや管理会社に確認した上で行いましょう。

都市部で増加する賃貸物件のお片づけ・遺品整理の期限と注意点

空き家のリスクが存在する場合も早めに。

故人がお一人で暮らされていた持ち家などの場合には、空き家になってしまうリスクが存在します。

空き家は、近隣の方にご迷惑とならないように配慮が必要となってきます。

放火や衛生上の問題、野良猫の住処となってしまったり、犯罪に利用されるなどの問題があるからです。

行政なども空き家問題に取り組んでおり、仮に「特定空き家」に指定されると、固定資産税が3〜6倍になってしまうなど、金銭面でのリスクも存在します。

遠方にあるなどして、管理する方が居ない空き家の痛み方の速度は、通常の家屋に比べてはるかに早いと言わざるを得ません。

そのため、空き家のリスクが存在する場合には、その後の家をどうするのか、といったポイントを踏まえ、やはり早めに解決へ向けて行動されることをお勧めします。

相続した空き家を片付けるために知っておきたい4つの解決策

空き家のリスクを事前に回避するために、売却や賃貸利用、解体といった方法を検討される方も、事前に部屋に残された物品(残置物)を運び出したり、貴重品や思い出の品を見つけ出すために、遺品整理作業が必要になってきます。

持ち家などの場合には、急がなくても良い。

故人の住居が持家の場合は、退去などの期日もないため、焦ったり、急ぐ必要はないでしょう。

とはいえ、家の中には食料品なども残っているケースがあるため、冷蔵庫中や出さずに残されたゴミなどは、出来るだけ早めに片づける必要があります。

その後、実家や故人の住居をどのようにしていくのか、という見通しが立ったタイミングや、家族・親族で話し合った結果が出た時に徐々に考え始めていかれることをお勧めします。

何よりも、気持ちの整理がついて「お片づけをしてみよう」と思い立ったタイミングで始められることをお勧めします。

無理に片付けを始める必要はありません。ゆっくりと考えてから作業を始めるのが良いでしょう。

始める方の多い平均的なタイミング

賃貸物件の場合や、問題が発生しているケース以外には、特に急ぐ必要はありません。

では、遺品整理をすでにされた方はどのようなタイミングで遺品整理を行っているのでしょうか。

  • 葬儀が終わってすぐに始める。
  • 初七日・四十九日・一周忌や百箇日法要の節目をきっかけとして始める。
  • お亡くなりになった年の暮れまでに作業を始める。
  • 死亡届提出後の手続きが一段落したタイミングで同時並行で進める。
  • 気持ちの整理がついてから、ゆっくりと始める。

仏教の教えと遺品整理

私たちが経験した例に限っていえば、お寺の僧侶の方から「葬儀が終わってすぐ」や「初七日前の遺品整理」については問題ないという見解を伺っています。

また、一般に四十九日以降が良いとされているのは、仏教の一般的な教義では四十九日のあいだ、亡くなった方はこの世とあの世の間を彷徨うとされ、四十九日後にどこへ行くかの裁きがあって、来世に生まれ変わる世界が決まるとされているからとのこと。
そのため、この世を去った四十九日を過ぎてから遺品を整理した方が良い、という考え方は一定の説得力はあります。

ただし、特に制限はないと考えて差し支えないようです。

葬儀が終わってすぐに

葬儀が終わった後には、相続する権利を持つ親族が揃っている場合が多いため、相談するには良い時期だといえます。

実際に、賃貸物件を中心として葬儀が終わったのちに、遺品整理に着手し始めたというお客様は多い印象があります。

遺品整理は先のこととして捉えていらっしゃる方も、親族間でのトラブルを防ぐため、このタイミングで具体的な方向性を決めておかれてから、遺品整理作業の時期を決めるといった方法も良いでしょう。

四十九日など、節目が過ぎた後

仏式での弔いの際には、初七日・四十九日・一周忌や百箇日法要の節目をきっかけに遺品整理作業をされる方もいらっしゃいます。

仏教では亡くなった日を1日目として49日のあいだ、亡くなった方がこの世とあの世の間を彷徨うとされています。

そして49日経過後にどこへ行くかの裁きがあり、来世に生まれ変わる世界が決まるとされているのです。

このため、この世を去った四十九日を過ぎてから遺品を整理した方が良い、という考え方が成立したと考えらえます。

ただし、遺品整理を始める時期は、地域や宗派によっても変わってくると聞きます。
地域によっては四十九日前に行う、とされていたり、四十九日の前日に行うとされることもあります。
また浄土真宗では、そもそも人は亡くなると即浄土に往生するとされているため、裁きの日はありません。仏教の教えでも、遺品整理の正しい時期は決められていないと考えることもできるわけです。

もしも遺品整理の是非について、気になるようでしたら宗派のお寺などに伺うのがいいでしょう。

家族や親戚が集まる節目として重要な意味を持つ四十九日

仏教の教えとは別に、遠く離れた家族や親せきが集まりやすいために、ある程度は遺品を整理するべき目安となっている側面が、四十九日にはあります。

遺品の中に、相続に関わるものがある場合、親族などの承諾を得ないで行うと、さまざまな問題が発生します。

まず相続すべきものをハッキリさせることが重要なのはもちろんですが、そのほかに、形見分けなどに何を残し、さらに何を再利用して、何を処分するかを親族の承諾を得ながら進めなければなりません。これは引越しなどとは異なり、遺品の整理が未経験の人の多いご家族、ご親族にとって、かなり大変な確認作業になります。

故人の住んでいた家には、生活していた証である様々な物があります。

たとえば、土地や建物に関する書類や通帳、宝石などの貴重品は、すぐに見つかるでしょうか。私たち遺品整理士の経験では、クローゼットの奥など分かりづらい場所から発見されることも多々あります。

つまり、家族、親族が一日だけ集まって探しても、遺品整理を行うのは難しいのが現実です。そのため、四十九日法要の際などに、大まかな結論を家族、親族で集まって決定するのが良いと考えることもできるわけです。

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死後事務関係の手続きが終了した後から

死亡届提出や、その後の手続き、いわゆる死後事務と呼ばれるこの手続きは、煩雑で種類も非常に多くあります。

葬儀後のやることリスト:死亡届提出後に必要な手続き一覧

この死後事務は、相続関連手続きを含め、全てを解決させようとすると半年から1年以上の時間が必要なケースも少なくありません。

遺品整理の作業を同時並行するには、時間も余裕も無くなってしまう可能性も大いにあります。

そのため、手続きが完了し次第、遺品整理作業を開始するという方も少なくありません。

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相続税の発生前

前述の項目と関連しますが、相続税の準確定申告・納付は、10ヶ月以内と定められています。

この相続税が発生する前に、作業を行われるという方もいらっしゃいます。

遺産分割協議などの結果を踏まえて、ある程度方向性が決まった中での遺品整理作業となるため、安心した作業が可能となる場合があります。

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家族・親族とよく相談すべき。❝丸投げ❞には注意。

親族や家族と遺品整理についてよく相談をしてトラブルを避けるためには、各節目に集まった機会を利用して、次のように作業を進めていくと良いでしょう。

家族がお亡くなりになり、葬儀や告別式となったタイミングは、家族や親族が集まれる最初の時でしょう。

そこで、整理の作業についても、大まかなことを決めておかれることをお勧めします。

葬儀、告別式、納骨など忙しい中ですが、多くが集まれるタイミングを考えると「家族の誰かが代表して、相続的な価値のあるものや形見分けに適したものなどを探す」など、ある程度方向性を探っておくのが良いでしょう。

大切な品物を探す際には、何を残しておきたいかを、家族や親族にキチンと聞いておかなければなりません。

実はこんなに。遺品整理で残しておくものリスト一覧(保存版)

細かい物でも勝手に処分してしまうと、トラブルの元になってしまいます。

家族一人の判断は避け、仮に「兄貴にすべて任せるよ」というような主旨の発言をされても、うやむやにせず、時には業者の手を借りるなど、きちんと探すことをオススメします。

段階的に進めることによって、次に集まれる機会、例えば四十九日や百箇日などの機会までに財産的価値のあるものや形見分けに適したものなどを選別しておけば、スムーズに残りの遺品整理が可能となります。

決めるのはあなたとあなたの家族や親族である。

今回は、遺品整理の開始時期について、考え方とタイミングについてお知らせして参りました。

冒頭でも申し上げましたが、遺品整理を業者に依頼するかどうか、そしていつから始めるのか、は最低限、賃貸物件や、近隣にご迷惑がかからないかどうかを考えた上で、あなたやご家族、ご親族が決めることです。

今回は、ご家族の視点を重視しご紹介して参りました。

この記事が、遺品整理の開始時期で悩んでいらっしゃる方への一助となれば幸いです。

最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。

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